◇国内男子◇カシオワールドオープン 3日目(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆3054人)シーズン3勝目、2009年以来2度目の賞金王戴冠のチャンスは手放さない。石川遼は10アンダーの4位から1バー…
◇国内男子◇カシオワールドオープン 3日目(23日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆3054人)
シーズン3勝目、2009年以来2度目の賞金王戴冠のチャンスは手放さない。石川遼は10アンダーの4位から1バーディ「71」で回り3日連続のアンダーパー。キャリアで初めて3ラウンド続けてボギーがないガマンのプレーで、首位に1打差の11アンダー3位につけた。
太平洋岸に降り注いだ柔らかな陽光とは裏腹に、ムービングデーのバックナインは困難を極めた。コースがある午後の芸西村に吹き荒れた強風は平均5m/s。時折、その数字をはるかに上回る突風にも見舞われ、全体のホールアウトは予定時刻より45分近く遅くなった。
石川は前半9ホールをすべてパー。「難しいコンディションになると自分の悪いところ、自信がないところが露呈されやすくなる」と覚悟を決めて向かった後半、10番(パー5)でピン左から1mのチャンスを沈めて歓声を集めた後も、じっと耐え忍んだ。
続く11番(パー3)、2m近い下りのパーパットを沈めて今大会初のボギーを回避。「ラインを読み切ることにかなり集中して、入らなかったらもう仕方がない感じで打っている。思ったところに思った強さで打てているのは良いニュース」。14番(パー3)ではピンの反対サイド、グリーン左奥からのバーディパットが2mショートした。カップまでの急傾斜に自身の影が重なる下りのスライスライン。勝負所で再びねじ込んでパーを拾った。
最終18番(パー5)で3mのバーディチャンスを外しても、「100点満点のゴルフではないが、ミスを減らしながらボギーをなくすことができている」と再三のリカバリーが光った3ラウンドに納得。前週の「ダンロップフェニックス」最終日の後半6番から58ホール続けてボギーがなく、2010年「KBCオーガスタ」で記録した自身の連続ノーボギー記録(49ホール)を9ホール更新。積極性が先行する普段とは違うスタイルでコースを攻略している。
首位との差を3打から1打に縮めて最終日へ。再び1組後ろの最終組を追いかける。「初日のようにアイアン、ウェッジで思った距離を、思ったラインに打てるようになれば。たまに来る良い流れに乗れれば、すごくいい」。2週前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来の優勝、所属契約先の大会での初勝利は次週の最終戦「日本シリーズJTカップ」(東京よみうりCC)を前に、賞金ランキングトップ浮上に繋がる可能性がある。(高知県芸西村/桂川洋一)