男子世界国別対抗戦、デビスカップ準決勝「フランス対セルビア」(9月15〜17日/フランス・リール/クレーコート)は、シングルス第1試合でルカ・プイユ(フランス)がドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)に驚きの敗戦を喫したあと、第2試合では、ジョ…

 男子世界国別対抗戦、デビスカップ準決勝「フランス対セルビア」(9月15〜17日/フランス・リール/クレーコート)は、シングルス第1試合でルカ・プイユ(フランス)がドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)に驚きの敗戦を喫したあと、第2試合では、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)がデ杯初出場のラスロ・ジェレ(セルビア)をストレートで退け、1勝1敗のタイとなった。

 もうひとつの準決勝「ベルギー対オーストラリア」(ベルギー・ブリュッセル/室内クレーコート)も1勝1敗で並んだ。

 まずダビド・ゴファン(ベルギー)がジョン・ミルマン(オーストラリア)に大接戦の末に勝ち、開催国ベルギーにリードを与えた。ゴファンは6-7(4) 6-4 6-3 7-6(4)で、3時間半におよぶベースラインでの競り合いを制し、デ杯での戦績を15試合で14勝とした。

 優勝回数28回を誇るオーストラリアは、最後に優勝した2003年以来の決勝進出を狙っている。一方ベルギーは3度目の決勝進出を目指している。

「肉体的に僕はベストの状態ではないが、チームとファンのために、気持ちの面で、コート上ですべてを出し尽くさなければならないことはわかっていた」とゴファンは言った。彼はここ数ヵ月、膝の故障に苦しめられていた。「自分の母国に1ポイント与えられるというのは、経験し得る中で最高のフィーリングのひとつだ」。

 しかし続く第2試合では、ベルギーの観客たちの活気あふれる応援にも関わらず、ニック・キリオス(オーストラリア)が大奮闘し、スティーブ・ダルシー(ベルギー)を6-3 3-6 6-7(5) 6-1 6-2で下した。

 キリオスは65本のアンフォーストエラーをおかしたが、また20本のサービスエースも決め、最後の2セットでは見るからに疲労していた33歳のダルシーに打ち勝った。

「レイトンと僕は、この戦いに大いに献身している。デビスカップはずっと、僕の今年の優先事項だった」とキリオスは言った。昨年まで選手だったオーストラリアの監督、レイトン・ヒューイットは、自身が選手としてデ杯優勝の経験を誇る人物だ。

「フランス対セルビア」では、セルビアのノバク・ジョコビッチ、ビクトル・トロイツキ、ヤンコ・ティプサレビッチが不在の中、フランスは、北フランスのリールで穏やかな週末を楽しむだろうと予想されていた。しかし、ラヨビッチはプイユの安定性を欠くパフォーマンスを最大限に利用し、ピエール・モロワ・スタジアムのレッドクレー上でセルビアに1勝0敗のリードを与えることに成功した。

 世界80位のラヨビッチは、この日、力強いスタートを切り、プイユのミスにつけ込んで、6-1 3-6 7-6(7) 7-6(5)で勝利をつかんだ。プイユは第2セットを取りはしたものの、一度も適切なリズムをつかむことができず、戦術的選択を誤り、総じて70本ものアンフォーストエラーをおかした。

 反対に、今季初めてデ杯でプレーしたツォンガは、いい形でチーム復帰を果たし、7-6(2) 6-3 6-3で勝利をおさめた。

 世界22位のプイユは、試合が始まるやすぐに自分のサービスゲームを落とし、第1セットを通してナーバスな様子を見せた。ラヨビッチはこのセットを、わずか25分で終わらせた。

「僕にとっての最大のアドバンテージは、第1セットを取ったことだった」とラヨビッチは言った。「デビスカップでは、(第1セットを取ることが)常に重要なんだ」。

 ラヨビッチは、第4セットの終盤で右足にケイレンを起こし、第4セットのタイブレークで5-4とリードを奪うオーバーヘッドのウィナーを打ったあと、監督のネナド・ジモニッチや他のチームメイトからの助けを必要とした。

「5セットを戦うのは、非常に難しくなっていた」とラヨビッチは振り返った。

 プイユは、相手を走らせようとする代わりにポイントを短くしようと努め、辛抱がなかった。とはいえ彼は第2セットを取り返して状況をイーブンに戻し、いくつかの壮観なショットを放っている。その中には、ドロップショットを追って前に出たあとに見せたオーバーヘッドもあり、このプレーは観客席のファンからの歓声を引き出した。

 しかし、ほっとしたのは束の間だった。最後の2セットでプイユのサービスはふたたび不安定になって自身を苛なみ、ラヨビッチはバックハンドボレーで試合を終わらせると、両手を天に突きあげて勝利を祝った。

 日曜日のダブルスでは、ベルギーのアーサー・デ グリーフ/ルベン・ビーママンズがオーストラリアのジョン・ピアース/ジョーダン・トンプソンと対戦する。一方、フランスのピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウは、セルビアのフィリップ・クライノビッチ/ジモニッチと対戦する。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はデビスカップ準決勝「フランス対セルビア」の初日、シングルス第1試合で、ドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)に敗れたルカ・プイユ(フランス)(写真◎Getty Images)

Photo: Lucas Pouille and Yannick Noah coach of France during the Semifinals of the Davis Cup between France and Serbia at Stade Pierre Mauroy on September 15, 2017 in Lille, France. (Photo by Anthony Dibon/Icon Sport)