アメフト愛を胸に、Xリーグを盛り上げる活動に尽力する姫子さん photo by Murakami Shogoアメフトの国内最高峰・Xリーグの公式アンバサダーとして、今シーズンの熱き戦いを、試合会場やSNSを通して盛り上げているのがモデル・ス…


アメフト愛を胸に、Xリーグを盛り上げる活動に尽力する姫子さん

 photo by Murakami Shogo

アメフトの国内最高峰・Xリーグの公式アンバサダーとして、今シーズンの熱き戦いを、試合会場やSNSを通して盛り上げているのがモデル・スポーツ女子の姫子さんだ。

アメフト一家に育った背景から、アンバサダーにふさわしいアメフトへの愛情と知識は折り紙付き。アメフトを見たことがない方たちに向けても、シーズン開幕からその魅力を発信してきた。

Xリーグは11月23日からプレーオフ「ライスボウルトーナメント」がスタートするが、姫子さんがアンバサダーになるきっかけや役割、アメフトへの思いについて語ってもらった。

Xリーグアンバサダー・姫子さんインタビュー 後編

【日本のアメフト界を盛り上げるために】

――今年8月にXリーグ初の公式アンバサダーとなりました。就任にはどのような経緯があったのですか?

「モデル活動をしているなかで、(アメリカプロリーグの)NFLに連れて行くタレントさんがオードリーさん以外に日本にいない、みたいな話を聞いて、私がやりたいなと思ったのが始まりです。そんな時に秀樹伯父さん(松岡秀樹さん、元日大、レナウンのQB)が入っているU-59ers(40歳以上のシニアチーム)の練習に混ぜてもらって、パスをワンハンドキャッチする動画をSNSに撮って上げたら70万回くらい再生されて。それがXリーグの方々の目に止まったそうです。

 Xリーグの方のひとりが秀樹伯父さんと同級生で、伯父から『動画を見た友だちがこんなこと(アンバサダーの話)を言ってるんだけど、興味ある?』と言われ、そこからすぐに面談をしてもらい、就任が決まったという感じでした。動画を上げてから3週間くらいで、あっという間に決まりましたね」

――姫子さんとしても願ってもない話だった。

「そうですね。いろんなCMなどにも出させていただいていますけど、家族にアンバサダーの話をしたらLINEで『なにそれ、すごいじゃん!』といままでで一番、喜んでくれました」

――日本でアメフトはメジャーなスポーツではなく、競技人口も減っていると聞きます。そのなかで姫子さんとしては、Xリーグアンバサダーの役割をどのようにとらえていますか?

「アメフトを知ってもらうきっかけになることです。今は試合に行かせていただいて、コイントスをしたり試合のMVP賞を授与したり、インタビューをさせてもらったり、Xリーグのインターネット中継にゲスト出演させていただいたりといったことをしているのですが、そういったことはすでにアメフトを知っている方々には見ていただいているところもあるかと思います。

 でも、私もSNSなどで発信していくことで、アメフトを知っている人たち、知らない人たちの両方に来てもらいたいと思っています。先日も、試合会場で私とファンの方々とキャッチボールをする企画があったのですが、元々私のことは知っていたという人たちにも来ていただいて、アメフトにも興味を持っていただけました。今後はそういう方向にもシフトしていったほうがいいのかなと模索しながら、アメフトを、Xリーグをもっと盛り上げていきたいと思っているんです。

 アメフトは、今はメディアへの露出も少ないですし、どうしたらいいのかなと思いながら、いろんなところで名刺を配ったり、関係者の方々とも話をしています。アメフトを広めるひとつの要因になれればいいなと思っています」

――日本でも1970年代後半から90年代前半まではアメフトブームとなり、ライスボウルが旧・国立競技場で行なわれた時などは5万人以上が入るようなこともありましたが、現在の状況には危機感を覚えますか?

「もっとできる(広められる)のになっていうのは思っています。でも、私が言うのもなんですけど、伸び代しかないと思っています。Xリーグは名だたる企業がスポンサーになってくださっていますし、『こういうふうに(演出などを)やりたいです』と提案をすれば協力してくれるところがあるんじゃないかと、やり方次第なんじゃないかと思っています。

 いまはマイナーなスポーツだからってあきらめているところがあるかもしれないですが、オリンピックもある(2028年ロサンゼルス大会でフラッグフットボールが採用)し、『もっと盛り上げていきたいです』と言い続けていれば、協力してくれる人は絶対にいると思います」

【ロス五輪の新種目に挑戦】

――それほど熱力のある姫子さんですが、実際、毎週のように試合会場に行かれていますね。

「個人的にもっと試合会場に行きたくて、(Xリーグに)そうお伝えしました。アメフト以外で一緒にお仕事をしているインフルエンサーやYouTuberの人たちにアメフトを見せたくて、行ける日を合わせて誘っています。アメフトを見てくれる人、結構、増やすことができました」

――大阪や九州開催の試合にも行かれるなど、精力的ですね。

「いろんなことをやらせてもらって、めっちゃ、楽しいです。中継の解説席にも初めて座らせていただいたのですが、しゃべるお仕事はいいなと思いました」

――NFLもご覧になっているんですか?

「はい。でもまだ、Xリーグほどは詳しくなくて。でもNFLは雰囲気がすごいですし、スーパープレーを見ながら『うおー』と叫んでいます」

――NFLは北米で文句なしにナンバー1の人気リーグです。

「なんか、土台が違いますよね。日本のアメフトも徐々に盛り上がってくれたらいいですね。でもサッカーやバスケットボールも以前より盛り上がっていますし、フラッグフットボールがオリンピック競技になるので、チャンスはあるかなと思います」

――姫子さんは、元阪神タイガース外野手の田上健一さんとYouTubeチャンネル『すぽろぐ』で自らがさまざまなスポーツに挑戦されているなど、本当にスポーツがお好きだということが伝わってきます。

「『すぽろぐ』は田上さんが私の小学校時代の野球姿を見て声をかけてくださったのがきっかけでした。最初は(人気野球YouTubeチャンネルの)『トクサンTV』に出ないかという話だったのですが、私が芸能界女子の最速球を達成してからにしようということになって。

 それで練習をするうちに、最初は70キロくらいしか出なかったのが、今年5月には101キロまで出せるようになったんです。さらに更新すべく準備万端で臨んだ試合の始球式が台風で中止になってしまって......。女性の芸能界最速は稲村亜美さんの103キロなので、公式にはまだ出せていないんです」

『すぽろぐ』ではスカッシュやフラッグフットボールなどに挑戦しています。ロサンゼルスオリンピックで採用される新種目を制覇しようと思っています」

――11月23日からはレギュラーシーズンを勝ち抜いた上位のチームが日本一のかかる「ライスボウル」(1月3日、東京ドームで開催)進出を目指す「ライスボウルトーナメント」が始まります。

「プレーオフは勝ち上がってきた日本のトップチームがぶつかり合うので、より高度な試合が見られます。私も試合会場にいると思います。今までのXリーグとはまた一味違うところを見せられるように、頑張ります!」

●Profile
姫子(ひめこ)/2001年生まれ、神奈川県出身。父、3兄弟がアメフト選手という環境で育ち、幼少期は水泳、野球など、中高校時代はバレーボールに打ち込む。スポーツトレーナーを目指し、理学療法士の資格を取得するための専門大学に通う一方、モデル活動を開始。テレビCM、アーティストのPVへの出演をはじめ、スポーツ女子としての活動の幅も広げている。2024年8月からアメフトの国内最高峰Xリーグのアンバサダーに就任。全国各地の試合会場に足を運び、ファンとの交流も含めてリーグを盛り上げている。