グラウンド内外で異彩を放ったカリスマ性を持つイチロー氏。(C)Getty Images 数多のレジェンドたちの名が刻まれる米野球殿堂。その中で際立つのが、2019年に満票での殿堂入りを果たしたマリアーノ・リベラ氏の選出だ。全米野球記者協会に…

グラウンド内外で異彩を放ったカリスマ性を持つイチロー氏。(C)Getty Images

 数多のレジェンドたちの名が刻まれる米野球殿堂。その中で際立つのが、2019年に満票での殿堂入りを果たしたマリアーノ・リベラ氏の選出だ。全米野球記者協会に10年以上連続で所属する記者による投票で決まる同殿堂入り選出にあって、元ヤンキース守護神の投票は唯一無二の記録となっている。

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 その快挙を日本のレジェンドもやってのけるかもしれない。現地時間11月18日に2025年の殿堂入り候補者の中に新たに加わったイチロー氏だ。

 MLBでの19年間で残した実績は図抜けている。マリナーズに所属した2004年には歴代史上最多となるシーズン262安打を放ったイチロー氏は次々にヒットを量産。最終的に通算3089安打を記録して「稀代の安打製造機」として名を馳せた。

 当時は「ステロイド時代」と揶揄されたほどに米球界はパワーが重視されていた。そんな環境下で、イチロー氏は細身でありながら卓越した技術力と天性の才覚で時代の寵児ともなった。それだけにリベラ氏に次ぐ満票選出の“ポテンシャル”は十分に持っている。

 栄光の背番号51の快挙を推す声は、当時を知る名将からも強まっている。

 ヤンキースやメッツを率い、通算1652勝を挙げたバック・ショーウォルター氏は、MLBの公式ネット局『MLB Network』の番組内で「明らかにトップはイチローですね?」と問いかけられ、「もちろんだ」と断言。さらに「彼がMLBにやってきたとき私はダイヤモンドバックスを指揮していたが、群を抜いていた。日本ではアメリカ国内におけるマイケル・ジョーダン以上の存在だった」と回想。そして、こう続けた。

「イチローがアメリカにやってきたとき、多くの人が彼を疑問視していた。『ここでは通用しない』と言う人すらいた。でも、どうでしょう? 間違っていたのは彼ら(批判した人たち)だった。素晴らしい守備選手で、おそらく史上最高の走塁技術を持っていた。そして信じられないほどの技量があったんだ」

 さらに「当時のアメリカの野球とは全く異なることをやっていた」と振り返るショーウォルター氏は、「彼に投票しない理由がない」と強調した。

 果たして、類まれな打力で異彩を放ったイチロー氏はどのような評価を受けるか。満票選出に焦点が当たる投票結果は、2025年1月21日に発表される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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