今週は東京競馬場で、第44回ジャパンC(GI、芝2400m)が行われる。三冠対決に沸いた2020年に匹敵する豪華メンバーが秋の府中で覇を競う。ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬14頭の全頭診断を行う。◆【ジャパンカップ2024予想/オッ…
今週は東京競馬場で、第44回ジャパンC(GI、芝2400m)が行われる。三冠対決に沸いた2020年に匹敵する豪華メンバーが秋の府中で覇を競う。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬14頭の全頭診断を行う。
◆【ジャパンカップ2024予想/オッズ】海外ブックメーカー1人気でドウデュースに並んだ馬は……世界の競馬ファンは“オッズ盲点”外国馬を上位に
■ジャパンカップ2024 出走予定馬全頭診断
・1枠1番 ゴリアット
道悪での複数回勝利、サドラーズウェルズ系に行き着く父系……いかにも欧州馬といったバックボーンの持ち主だ。タフな馬場適性が強調されている印象から日本の高速馬場適性には疑問が残るし、道中は中団から後方で脚を溜めるタイプ。1枠1番のアドバンテージもさほど得られないだろう。
・2枠2番 ブローザホーン
グランプリホースの称号を引っ提げて臨んだ前走京都大賞典。スタートから進んでいく気配がなく、勝ち馬から大きく離された最下位に敗れた。あの内容を見せられてしまっては積極的に狙えない。有馬記念に向けた復調度合いを測る一戦と捉えたいところだ。
・3枠3番 ドウデュース
前走天皇賞・秋は鮮やかな大外一気。キャリアを重ねて小回り適性が強調されてきたと思っていただけに、脱帽するしかないパフォーマンスだった。直線以外はほとんど流して走っていたようなもので、連戦のダメージも少ないはず。3枠3番は前が詰まるリスクも考えなければならないが、スムーズに大外に持ち出すことができれば大崩れは考えにくい。
・3枠4番 ジャスティンパレス
こちらも前走天皇賞・秋から参戦。当時はややスムーズさを欠いたものの、上がり3F2位の脚で4着なら及第点を与えられる。前走4着内の杉山晴紀厩舎×C.デムーロ騎乗馬は【3.2.2.0】。本質的にはステイヤーだと思うが、何らかの印は必要か。
・4枠5番 シュトルーヴェ
今年のメンバーで実績ははるかに見劣りするが、この馬で強調したいのは瞬発力。今年挙げた3勝中2勝が上がり3F33秒2以内で、いずれも東京芝で記録したものだった。過去10年のジャパンCにおいて、年内に上がり3F33秒以内の勝利実績がある馬は10年連続馬券内。ドウデュースと本馬だけが満たす条件でもあり、東京芝2400m成績【2.1.0.0】も含めヒモ穴候補として一考。
・4枠6番 ダノンベルーガ
昨年以降の芝2000m超の成績は【0.0.0.4】。個人的にはマイルCSに出走してほしかったが……。ここも苦戦が予想される。
・5枠7番 シンエンペラー
これまで本レースで馬券内に入った3歳牡馬は年内にGI連対歴あり。それを満たしていないことに加えて、当舞台の日本ダービーでは同世代の馬に0秒6差をつけられており、古馬相手での強調材料は乏しい。
・5枠8番 オーギュストロダン
欧州で活躍するディープインパクト産駒として早くから注目を集めていた馬。日本での引退式も含め異色の1頭と言えるが、一定レベルの先行力に加えて、2分24秒3で制した昨年のBCターフを見るより日本の高速馬場適性ゼロと判断するのは早計だ。密集地帯を抜けてくる勝負根性があるだけに、その競馬に秀でたR.ムーア騎乗かつ逃げ馬不在でスローの馬群一団想定は歓迎。自身より内に速い馬がいないここはラチ沿いを取り切れるシチュエーションで、うかつに消したくはない。
・6枠9番 チェルヴィニア
オークス→秋華賞と連勝し臨む古馬混合GI。ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、リバティアイランドの好走で麻痺している感があるが、その一方でミッキークイーン、ハープスター、ウオッカは3歳時に馬券外と、3歳牝馬にとって歴戦の古馬と互角に戦うのは決して簡単なことではない。過去10年のジャパンCにおいて、父ノーザンダンサー系の成績は【0.0.0.29】。奇数番の真ん中やや外めの馬番はレースがしやすいとは言い難く、思い切って“消し”の選択肢も浮上する。
・6枠10番 ドゥレッツァ
ソールオリエンス、タスティエーラとGIでの逆襲が目立つ現4歳世代。本馬もこのメンバーでは人気薄予想だが、関東圏の成績【3.0.1.0】と輸送時間の短い舞台では大崩れがない。2戦2勝の東京芝替わりは歓迎で、上がり3F32秒7の勝利実績あり。「3頭目の逆襲」があっても不思議ではない。
・7枠11番 カラテ
8歳を迎えてさすがにピークアウト気味の近走。厳しい。
・7枠12番 ソールオリエンス
中団からスムーズに運べた前走天皇賞・秋。それでも勝ち馬ドウデュース、4着ジャスティンパレスの切れ味には及ばず掲示板外に敗れた。消耗戦ならチャンスはありそうだが、今回は超スローの上がり勝負が濃厚。変わり身は望み薄か。
・8枠13番 ファンタスティックムーン
地元ドイツ以外のGI成績は【0.0.0.3】掲示板内ゼロ。持ち時計も乏しく、買い材料を見出すには至らない。
・8枠14番 スターズオンアース
大阪杯、有馬記念2着が示すように牡馬と互角の戦いを繰り広げてきた馬。それでも昨年からひとつ年齢を重ねたことは事実で、過去の本レースで馬券内に入った5歳牝馬はすべて牡馬混合GI勝ち馬だった。もっとも食指が動くのは、昨年大外枠にもかかわらず連対圏に突入した次走想定の有馬記念か。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年11月21日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。