プロ通算18年間で国内外9クラブを渡り歩いた大型司令塔MF長谷川アーリアジャスールの引退セレモニーでの“息子のスピーチ”が大きな話題となっている。 1988年10月29日生まれでイラン人の父を持つ長谷川は、横浜F・…

 プロ通算18年間で国内外9クラブを渡り歩いた大型司令塔MF長谷川アーリアジャスールの引退セレモニーでの“息子のスピーチ”が大きな話題となっている。

 1988年10月29日生まれでイラン人の父を持つ長谷川は、横浜F・マリノスの育成組織から2007年にトップ昇格を果たした。その後、FC東京セレッソ大阪、レアル・サラゴサ、湘南ベルマーレ大宮アルディージャ名古屋グランパスFC町田ゼルビア、そして2023年から2年間をガイナーレ鳥取でプレー。36歳となった今季限りでの現役引退を決めた。

 そして今季のホーム最終戦となった11月17日のJ3リーグ第37節のツエーゲン金沢戦、長谷川はスタメン出場から後半26分に両チームの選手たちによる花道と大きな拍手の中でベンチへ下がると、試合後に引退セレモニーが行われた。最初に大型ビジョンで記念ムービーが流され、香川真司ランコ・ポポヴィッチ氏からビデオメッセージが届けられた。

 その後だった。長谷川の妻と3人の子どもたちが登場。そして家族を代表して、長男の“ロイくん”がピッチ真ん中に置かれたマイクの前で、準備してきた手紙を読み上げた。

 優しく微笑む父を前に「僕は、息子の長谷川ロイジャスールです。今日はスペシャルなセレモニーをありがとうございます」と語り始めたロイくんは、そこから「パパは僕の親友だからいつも一緒でした」「パパが突然、鳥取にお引越しして家に帰ってこなくなりました」「僕は寂しくて、たまに意地悪をしました。ごめんなさい」と率直な言葉をユーモアたっぷりに並べ、さらに「ケイタくんがご飯を作ってくれたり、鳥取の人が誕生日のお祝いをしてくれて、とても嬉しかったと思います」「最高にセンスのいいチーム」などと鳥取の選手、クラブへの感謝を述べた後、「サッカー選手のパパもサッカー選手じゃないパパもかっこよくて自慢のパパだよ」と心のこもったメッセージ。途中、笑いを堪えるながらも、最後は流暢な英語でしっかりと締めた。

■「最高のセレモニースピーチ。パパでなくても泣くわ。」

 この“ロイくんの手紙”に、整列した選手たち、スタンドのファンたちは笑いと涙。そして、この映像をJリーグ公式エックス(旧ツイッター)が公開すると、さらに大きな感動を呼び、SNS上には次のようなコメントが寄せられた。

「笑って泣ける」
「こんな幸せな引退セレモニーあるのね。この数分を是非見てほしい。」
「これJリーグ史上最高のスピーチと言えるかもですね」
「何回見て見るたびに泣く これはねぇ…全大人が泣くわ」
「最高のセレモニースピーチ。パパでなくても泣くわ。」

 長男・ロイくんに続いて、次男・リオくんからも「パパ、大好きだよ!クリスマスパーティ行こうね!」のメッセージを受け取った長谷川は、その後に自らの引退スピーチで改めて、これまで所属したクラブ、仲間たち、最後に所属した鳥取、そして家族に改めて感謝を述べた。そして朋友の太田宏介氏のサプライズ登場もあった後、家族も交えて記念撮影。スタジアムは温かい拍手に包まれていた。

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