これまで制したフランス産馬はゼロ。これは意外な事実かもしれない。日本馬にとって難攻不落のレースは仏G1・凱旋門賞だが、フランス産馬にとってはジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)が大きな壁となっているのだ。 惜しいレースは何回もあ…
これまで制したフランス産馬はゼロ。これは意外な事実かもしれない。日本馬にとって難攻不落のレースは仏G1・凱旋門賞だが、フランス産馬にとってはジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)が大きな壁となっているのだ。
惜しいレースは何回もあった。過去最高は82年のオールアロング、91年のマジックナイト、93年のコタシャーン、96年のファビラスラフインの4回もある2着。コタシャーンは鞍上のデザーモ騎手が残り100mのハロン棒をゴール板と間違え、一旦追うのをやめる「ゴール板誤認事件」があってのもの。また、ファビラスラフインはシングスピールにハナ差及ばずの惜敗だったから、どうにも運がない。ちなみにフランス調教馬は87年にルグロリューが制しているが、こちらはイギリス産馬だった。
今年はJRAの現役に4頭しかいないフランス産馬の中の1頭、シンエンペラー(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦する。20年の凱旋門賞を制したソットサス(Sottsass)の全弟。昨年の京都2歳Sで重賞初制覇。その後は勝利こそないが、ホープフルSが2着、日本ダービーが3着、愛チャンピオンSが3着と、強豪相手に好勝負を続けている。前走の凱旋門賞は超がつく道悪も堪えたのか、見せ場なしの12着に沈んだが、ほぼ参考外といえる一戦。舞台が東京に替われば当然、巻き返しがあるはずだ。
フランスで日本馬の悲願成就とはいかなかったが、日本で大仕事となるか。世界的良血馬の走りから目が離せない。