通算907試合で84本塁打、343打点…今季は1軍出場ゼロ「プロの世界は厳しいので」 今季限りでの現役引退を表明したDeNAの大田泰示外野手が18日、横浜市内で引退会見を行った。巨人、日本ハムと計3球団で16年間のプロ野球生活を終えた34歳…

通算907試合で84本塁打、343打点…今季は1軍出場ゼロ「プロの世界は厳しいので」

 今季限りでの現役引退を表明したDeNAの大田泰示外野手が18日、横浜市内で引退会見を行った。巨人、日本ハムと計3球団で16年間のプロ野球生活を終えた34歳は「今は悔いとか後悔というのはありません」とスッキリした表情で語った。

 大田は高校通算65発の実績を引っさげ、2008年ドラフト1位で巨人に入団。レギュラーに定着することはできなかったが、2016年オフに日本ハムにトレード移籍すると一気に才能を開花させた。2017年から4年連続2桁本塁打、2019年にはキャリアハイの20発マーク。しかし2021年限りで「ノンテンダー」となり退団し、2022年からDeNAに加入した。

 会見では冒頭で「横浜DeNAベイスターズの日本一おめでとうございます」と祝福。その後、「記者の皆さん、1年間お疲れさまでした」と気遣いを見せた。東海大相模高時代から何度もプレーした横浜の地で現役引退。「高校時代は本当にきつかった思い出しかないんですけど、横浜スタジアムで野球をすることに憧れて入ったところもある」「僕が育ててもらった球場でもあり、今回引退を決めてベイスターズで最後終われたのは何かの縁があると思うので、自分の中では特別な存在であると思っています」と感謝の言葉を述べた。

 家族への思いも明かした。日本ハム時代は北海道に単身赴任。「自分の家族に対しても無理をさせてしまったと思う」「これからはしっかりそういう時間に充てたいと思いますし、両親に対してもしっかり親孝行できればと思う。16年間できたのはまず家族のおかげ」と振り返った。

 通算907試合で打率.259、84本塁打、343打点。今季はプロ入り後初めて1軍出場なしに終わり、戦力外通告を受けた。「選手として必要とされる選手ではなくなったのかなと自分の中では感じるので、必要なら必ず1軍にいる。プロの世界は厳しいのでそこはわきまえている」。2軍で過ごした1年間で自らの立ち位置を理解した。

 現役続行の道を模索したがNPB球団からのオファーはなかった。「戦力外の報道が出てから1か月過ぎて、ここまで1か月ちょっと待って(オファーが)なければそこ(現役引退)は視野に入れないといけないなと自分の中で感じていた」。巨人、日本ハム、DeNAの選手にも相談し、最後は家族と話し合って決断をした。

 16年のプロ野球人生。「まだまだ野球をやりたいという気持ちはありますけど、プロ野球選手って厳しくてやれる環境がなければプレーすることができない」と受け止める。「出させてもらった試合は結構覚えているもので、16年間やってきたすべての試合、打席、すべてが自分の中ではかけがえのない経験をさせてもらったと思う」と懐かしむ。今後については明言しなかったものの「野球界に還元できるように」と新たな一歩を踏み出した。(Full-Count編集部)