井上のライバルと目された時代もあったカシメロ。(C)Getty Images 本心か、はたまたパフォーマンスか。フィリピンのお騒がせボクサーが一つの決断を公表した。 現地時間11月14日、プロボクシング元世界3階級制覇王者のジョンリエル・カ…

 

井上のライバルと目された時代もあったカシメロ。(C)Getty Images

 

 本心か、はたまたパフォーマンスか。フィリピンのお騒がせボクサーが一つの決断を公表した。

 現地時間11月14日、プロボクシング元世界3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は、自身のFacebookで現役引退を発表した。

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 35歳の元世界王者は“渦中の身”ともなっていた。今年10月に横浜武道館で開催されたWBO世界バンタム級8位サウル・サンチェス(米国)とのスーパーバンタム級10回戦に向けた前日計量の1度目の計測で1キロの体重超過が判明。2時間後に実施された2回目も600gオーバーとなり、日本ボクシングコミッション(JBC)から「1年間招聘禁止」処分を科される事態になっていた。

 当日計量クリアで開催という異例のルールの下で行われたサンチェス戦を1回TKOで制した当人は「自分には、計量なんて関係ない」と豪語。今後の戦いに自信を覗かせていたが、周囲はしらけムード一色に。母国内でも「JBCの処分は、ルールの上に立つボクサーはいないことを示した厳格かつ正しいもの」(フィリピンの放送局『ABS-CBN』のエド・トレンティーノ氏談)と批判を受けていた。

 そうした中で急転直下の引退を発表したカシメロは、Facebookの動画内でフィリピンのスポーツコミッション会長に挨拶し、「二度と戦わない」「ごめんみんな、もう戦いたくないんだ」と投稿。さらに別動画で「イノウエが相手じゃないなら、もう戦わないぜ、みんな!」と訴え、現スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)との対戦が絶望的となった現状が引退理由だと語った。

 さらに16日にも動画を更新したカシメロは、「フィリピンのボクサーたち、あとは君たちに任せた」と後輩たちにメッセージ。「自分の運に頼るんじゃなくて、自分の戦略に頼ること。相手を恐れないで、相手を翻弄してやれ」と呼びかけた。

 果たして、カシメロの意思はどこまで本気なのか。いずれにしても、彼が一線級から遠のいてしまった感は否めない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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