(写真:Getty Images) 浦和がラウンド16に続き、またも大逆転劇を起こした。第1戦で背負ったビハインドは2点…


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 浦和がラウンド16に続き、またも大逆転劇を起こした。第1戦で背負ったビハインドは2点。さらにこの試合も19分と早い時間帯に先制点を許した。興梠も「心が折れかけた」と正直に話したが、その時点で非常に苦しい状況だったことは間違いない。だが、試合終了のホイッスルが鳴ったとき、歓喜に包まれたのは浦和だった。

 立ち上がりから主導権を握りながら19分に先制を許した浦和だったが、あきらめることはなく、35分に矢島の鋭いスルーパスから興梠の巧みなシュートで反撃の狼煙を上げた。柏木が「あの1点がチームに勢いをつけた」と言えば、興梠も「後半に3点取らないといけなかったら前のめりになってカウンターでやられたかもしれない」と、その大きさについて説明した。そして38分に川崎Fの車屋が一発退場。ファウルを受けた興梠は「一言で言えば、あの退場がものすごく大きかった」と振り返った。この前半の二つの出来事は試合における重要なポイントだった。

 そして後半、浦和はさらに攻撃の勢いを増した。パスを回しながらサイドを中心に組み立てると、70分にCKから途中出場のズラタンがゴールを決め、84分には右サイドを起点に柏木のパスからラファエル・シルバがゴール。そして86分にはまたも右サイド、森脇のクロスを高木が合わせると、ボールはGKチョン・ソンリョンの頭を越えてゴールに吸い込まれた。

 クラブは逆転勝利に向けてさまざまな施策を講じた。前日に駅前でチラシ配った影響で試合当日に声が出なくなってしまったスタッフもいた。その甲斐もあり当日券は淵田敬三代表が「すごい数字」という約8,000枚を売り上げた。サポーターも「必ず何か起こすという雰囲気を作ってくれた」(阿部)。ピッチに立つ選手やスタッフだけではなく、サポーターを含めたクラブ全体で成し遂げた大逆転劇、そして9年ぶりのアジア4強進出だった。

文・菊地 正典