無敗の三冠馬コントレイルや、まだ記憶も新しいイクイノックスなど、過去において多くの活躍馬を輩出してきたレースで、2021年にはGIII競走からGII競走に格上げされた。特に日本ダービーを前に東京競馬場を経験させたい関西馬にとっては重要な…
無敗の三冠馬コントレイルや、まだ記憶も新しいイクイノックスなど、過去において多くの活躍馬を輩出してきたレースで、2021年にはGIII競走からGII競走に格上げされた。特に日本ダービーを前に東京競馬場を経験させたい関西馬にとっては重要な位置に置かれている。とはいえ、キャリアの浅い馬たちによる1戦。しっかりとレースを見定めたい。過去10年でいえば、前走で新馬戦を勝ち上がったばかりの馬が5勝に対して、前走で重賞もしくはオープン特別を使ってきた馬が5勝。前走で未勝利を勝ち上がったばかりの馬は[0-3-2-17]とやや割引が必要かもしれない。
◎レッドキングリーは東京競馬場芝2000m新馬戦優勝馬。小雨降る中でのレースで、好スタートからハナに立つも、行きたい馬を行かせての2番手から。半マイル通過50.1秒のペースをピタリと折り合いやや離れた2番手から。最後3ハロンのレースラップが11.3秒、11.3秒、11.2秒という流れをじわっと取りついて残り200m標識あたりで抜け出すと、あっという間に4馬身の差をつけた。母レッドエルザは07年に米芝牡馬チャンピオンとなったイングリッシュチャンネルの全妹。距離短縮はプラス材料かもしれず、切れ味勝負に持ち込めば一日の長がありそうだ。
〇デルアヴァーは福島競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。ゲートでは子供っぽいようなところを見せて後方からの競馬となったが、半マイル通過50.4秒のスローペースをゆったりと追走し、3角手前から外をまわりながらスパート。最後の4ハロンのレースラップが12.0秒、11.9秒、12.0秒、11.4秒だから追い込み馬には厳しい流れだったが、それを持ち前の加速力と瞬発力であっさりと抜け出した。前走を見る限りにおいて、広いコースに替わるのはプラスだろう。母はダートグレード6勝のアムールブリエで、祖母はヘヴンリーロマンス。血統レベルは高い。
▲クロワデュノールは東京競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。こちらも好スタートから半マイル通過49.4秒のペースを2番手追走。3角手前から逃げた1番人気馬にプレッシャーをかけ続け、ほぼマッチレースの様相に持ち込み、最後は抵抗する相手をあっさりと交わして2馬身半差。ラスト4ハロンのレースラップは11.5秒、11.3秒、11.1秒、11.5秒。長く良い脚を使えるタイプのようだ。母ライジングクロスはパークヒルS優勝馬で、英オークス2着、愛オークス2着。半姉アースライズはオークス4着、秋華賞5着。優れた心肺機能が武器のようだ。
△ファイアンクランツは札幌2歳Sで1番人気3着馬。札幌競馬場芝1800m戦のデビュー戦は半マイル通過50.3秒のスローペースを好位で折り合い、4角先頭。そのままメンバー最速の末脚で後続を振り切った。続く札幌2歳Sは躓き気味に出てしまったため、後方からの競馬となったが、大外をまわりながら勝ち馬に0.2秒差3着まで詰め寄った。速い時計の決着や長い直線コースなど未知の部分が多いが、楽しみも多い1頭だ。
最後に△プレシャスデイ。超が付くようなスローペースだったので、勝ちタイムは平凡だが、最後2ハロンのレースラップは11.1秒、11.1秒。それをあっさりと交わすのだから、瞬発力はA級だ。