第41回マイルチャンピオンシップ(17日/GI、京都芝1600m)には、連覇を目指すナミュール、昨年2着で悲願のGIタイトルを狙うソウルラッシュ、欧州トップマイラーのチャリンなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「オオバンブルマイ」を取り上げる。

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■オオバンブルマイ

【中間調整】10番人気で京王杯2歳Sを制しアッと言わせたが、翌年春にアーリントンCを勝ち、NHKマイルCで3着に入った。実力は確か。秋は豪州の高額賞金レース・ゴールデンイーグルを制し、約5億円をかっさらってみせた。今年前半の海外連戦は凡走続きも調整の難しさ、そして馬場状態が向かなかった不運もあったか。帰国後はスプリント路線に転じ、キーンランドCは4角最後方から追い込み3着と見せ場を作ったものの、スプリンターズSは窮屈なレース運びを強いられ11着。

“やはりマイルぐらいがいい”という武豊騎手騎手の進言を容れ、次の目標をマイルCSに設定。放牧を挟んで10月30日から栗東で時計を出し始めている。1週前は武豊騎手が騎乗しCWで3頭併せ。柔軟なコーナリングで2頭の内に潜り込むと、余力を残した手応えのまま一気に突き抜け、それぞれに5馬身ほどの先着を果たしている。5F全体は65秒6(強め)で、自己ベストを更新。

【最終追い切り】レース当週は坂路を単走。やや重心の高さは気になるが、これはいつものこと。序盤から躍動感があり、力強い踏み込みで登坂していく。ラストは溜めた脚を一気に弾けさせ、さらにダイナミックなフォームで駆け抜けた。

【見解】1週前に余力残しで自己ベスト更新。今週はまったくの馬なりで弾むようなフットワークを見せており、とにかく体調は良さそう。海外遠征や短い間隔での出走があり、調整パターンが一定しない馬だが、今回は久々に腰を据えて栗東での調整。1週前CW併せ馬→最終追い坂路はアーリントンC制覇時と同じだ。どんな調整パターンでも力を発揮できる精神面の図太さはありそうだが、今回のパターンがやはりベストのように感じる。京都は未知数も、脚質から外回り&直線平坦は合いそうだ。前走は馬群を突いて上手く捌けなかった。その悔しさを名手・武豊騎手はここで晴らしたいはず。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。