モイネロを攻略したキム・ドヨン。(C)Getty Images“日本球界最強”と言われた左腕を見事に打ち崩した。 11月14日に野球の国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が各地で行われ、B組の韓国代表は2回に一…

モイネロを攻略したキム・ドヨン。(C)Getty Images

“日本球界最強”と言われた左腕を見事に打ち崩した。

 11月14日に野球の国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」が各地で行われ、B組の韓国代表は2回に一挙6得点を挙げるなど9安打8得点でキューバ代表を8-4で撃破。15日の日本代表戦に弾みをつけた。

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 打線に勢いをつけたのは、“韓国の大谷翔平”とも呼ばれる若き主砲、キム・ドヨンだ。今季のKBO(韓国プロ野球)リーグで史上最年少での「トリプルスリー(今季成績は打率.347、38HR、40盗塁)」をやってのけた21歳は、「3番・三塁」で先発出場。2回2死満塁で回ってきた第2打席には、相手先発のリバン・モイネロから豪快なグランドスラムを左中間へ叩き込んだ。

 この日のモイネロはインフルエンザのため、決して万全と言える体調ではなかった。それでも今季のNPBでパ・リーグ最優秀防御率(今季防御率1.88)のタイトルを獲得した左腕を攻略したキム・ドヨンのパワーは桁違い。まさに圧巻の一語であった。

 モイネロからの満塁弾を含む4打数3安打、2本塁打、5打点と大活躍を見せた21歳には、“野球の本場”からも熱視線が注がれた。23年のWBCも取材していた米ポッドキャスト「WBC Central」でホストを務めるショーン・スプラドリング氏は、自身のXで「キム・ドヨンは今、地球上で最も優秀な若手の一人。彼は本物だ」と強調。このキューバ戦にも、ドジャース、アストロズ、メッツ、ヤンキース、カブスなど合計20球団のMLBスカウトが視察していたことを紹介した。

 もっとも、当人は周囲の賑わいをよそに冷静だ。試合後に日刊紙『朝鮮日報』などの母国メディアの取材に応じたキム・ドヨンは「モイネロのボールを見たら、なぜ日本で一番と言われるのかが分かった。今日はただ運が良かっただけ」と吐露。そして15日の日韓戦に向けては「日本の先発投手もとても良い投手だと聞いているからぶつかってみたい」と自信を覗かせた。

 もはや世界的な関心を集める韓国の怪物スラッガーをいかに封じるか。侍ジャパンにとって勝敗を分ける一つのカギとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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