◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 初日(14日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)◇晴れ(観衆2016人)河本結は当時のことを「どん底」と表現する。昨季、開幕からレギュラーツアーで予選落ちを繰り返し、5…
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 初日(14日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)◇晴れ(観衆2016人)
河本結は当時のことを「どん底」と表現する。昨季、開幕からレギュラーツアーで予選落ちを繰り返し、5年ぶりに下部ステップアップツアーに戦いの場を求めた夏場のことだ。
心身とも追い詰められるような状況で地元・愛媛県知事の中村時広氏から手紙が届いたという。「愛媛県のみんなは、どんな時も結さんを応援しています」――。そんな温かい励ましのメッセージだった。
「メッチャつらかったんで、それがすごく心に染みて…。(恩返しで)地元に貢献したいとなったら、やっぱりここで勝つことしかないなって思った。それが自分の頑張れる原動力になっています」。ことし8月「NEC軽井沢72」で5年ぶりの復活優勝を遂げられたのも、心強い後押しがあったから。感謝の思いを結果で示す最高の舞台として、地元開催の一戦で活躍することがシーズン最終盤の大きな目標だったと話す。
熱い思いを体現するかのような6アンダー首位タイ発進も、入念な準備によるもの。開幕2日前の練習日、知り尽くしたコースに出て改めて事前チェックをするのではなく、パッティンググリーンで“地味練”を繰り返した。
構えた時の足の裏の「圧」のかけ方、ひざの向き、お尻の位置、頭から腰にかけてのライン…。細かなポイントを整理し、球をつかまえにいっていたというストロークを修正。4.5mの距離なら、テークバックもフォロースルーも37㎝と決まっている振り幅に忠実にボールを転がし続けること2時間半。パッティングがクリアになることでショットも研ぎ澄まされたとうなずく。
前半15番から3連続バーディを先行。後半7番で唯一のボギーが出ても、8番(パー3)で真っすぐ上りのラインだった9mを流し込んでバウンスバック。最終9番(パー5)も獲って2連続バーディで締めくくった。
今週も実家から通っているように、近場で行われるこのトーナメントこそ初めて観戦したプロの試合。「そこで上田桃子さんを見て、私はプロゴルファーになりたいと思ったんです」。憧れの大先輩がツアーの第一線を退くタイミングも重なり、今大会にかける思いは半端じゃない。(愛媛県松山市/亀山泰宏)