今年のジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)は武豊騎手と日本ダービーを制したドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)が、強力な海外勢を迎え撃つ構図となった。これは武豊騎手のスペシャルウィークが凱旋門賞馬のモンジュー(Montjeu…

 今年のジャパンカップ(3歳上・GI・芝2400m)は武豊騎手と日本ダービーを制したドウデュース(牡5、栗東・友道康夫厩舎)が、強力な海外勢を迎え撃つ構図となった。これは武豊騎手のスペシャルウィークが凱旋門賞馬のモンジュー(Montjeu)と激突した99年のレースと共通する部分だ。そこで四半世紀前の激闘を振り返りたい。

 単勝2.7倍の1番人気に推されたのはモンジューだった。通算成績は8戦7勝。仏ダービー、愛ダービー、ニエル賞、そして前走の凱旋門賞と目下4連勝中。とりわけ凱旋門賞では、前年のジャパンC覇者である日本のエルコンドルパサーとの一騎打ちを制し、欧州最強の称号を手にしていた。3.4倍の2番人気はスペシャルウィーク。前年のダービー、同年の天皇賞(春)、天皇賞(秋)の覇者。体調不安が囁かれ、前走の天皇賞(秋)では4番人気に甘んじていたが、鮮やかな大外一気で復活V。ここは日本の総大将として参戦していた。

 レースは前半1000mが60秒2の平均ペースで流れた。スペシャルウィークは中団を追走。これをマークするようにモンジューが運ぶ。勝負所でスペシャルウィークがポジションを上げると、直線半ばでは早くも先頭に立つ。内で粘るのは香港のインディジェナス(Indigenous)、先頭を追うように前年の英ダービー馬のハイライズ(High-Rise)も追い上げる。一方、モンジューはジリジリとした伸び。終わってみればスペシャルウィークが2着のインディジェナスに1馬身半差をつける完勝。モンジューは4着まで追い上げるのが精いっぱいだった。

 今年のジャパンCは武豊騎手のドウデュースが主役を務めるが、海外からも大物が来る。とりわけ昨年の英愛ダービーなどG1・6勝のディープインパクト産駒オーギュストロダン(Auguste Rodin)、今年のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSを制したゴリアット(Goliath)は相当な大物だ。25年前は「武豊騎手&日本のダービー馬」が勝利したが、今年はどうなるか。いずれにしても役者が揃い、大いに最も盛り上がるレースとなることは間違いない。

【武豊騎手が日本ダービー馬と挑んだジャパンC】
95年:ナリタブライアン(6着)
99年:スペシャルウィーク(1着)
02年:ジャングルポケット(5着)
06年:ディープインパクト(1着)
07年:メイショウサムソン(3着)
19年:マカヒキ(4着)