今季のWRCではトヨタからスポット参戦のプログラムを組んだ2022ー2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラが先日、レッドブルのF1テストに参加した。2025年はWRCフル参戦に復帰する計画に変わりはないようだ。 WRCを2連覇し…
今季のWRCではトヨタからスポット参戦のプログラムを組んだ2022ー2023年のWRCチャンピオン、カッレ・ロバンペラが先日、レッドブルのF1テストに参加した。2025年はWRCフル参戦に復帰する計画に変わりはないようだ。
WRCを2連覇した直後、2024年のWRCはスポット参戦で充電することを表明し、7戦のみの参戦に留めたロバンペラ。情報筋によれば、2025年はトヨタから全14戦にフル参戦するプランを続行するとしている。
「カッレはフルシーズンで戦う。ずっとその計画のままだ」と、その情報筋は認めている。
ロバンペラは先日オーストリアのレッドブル・リンクで、2012年式のRB8のステアリングを握り、テスト走行を行った。
「素晴らしい日だった」と語るロバンペラは、現在24歳。
「かなりの周回数を走らせてもらった。もちろん、いつかF1マシンに乗ることを長い間楽しみにしていたので、本当にクールだった。この走行は順調に進み、とてもいいフィーリングで終えることができた」
ロバンペラは、F1マシンでのテスト走行に備えて、F4とフォーミュラ・ルノー3.5、2種類のシングルシーターで2.683マイルのレッドブルリンクを周回した。
「体感的に、F1マシンはまったく違う」とロバンペラ。
「横方向のGが格段に大きく、よく止まるし、よく曲がる。ドライバーが感じる感覚もまったく違って、Gはすごく大きく、信じられないほどのグリップを発揮する」
RB8とWRCでドライブするトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドを比較することを問われるとロバンペラは「F1マシンとラリーカーの最大の違いは、もちろんラリーカーの方が挙動が大きいということだ。F1は、少しカートのようなところがあって、サスペンションからの動きはあまりないが、グリップ量はものすごい。F1はダウンフォースが大きいので、コーナーも格段に高い速度で走ることができる」
「レッドブルとレッドブルレーシングには、このような日を設けてもらって感謝している。かなりアメージングな経験だったし、自分自身、とてもいい気分で一日を終えられた」
WRC9連覇王者のセバスチャン・ローブも、2008年にルノーとレッドブルでF1テストを経験しており、2009年アブダビGPではトロ・ロッソのドライバーに抜擢される寸前までいったが、FIAからF1スーパーライセンスを却下されている。WRC8冠のセバスチャン・オジエも、2017年のレッドブルRB7でレッドブルリンクを試走している。
なおトヨタの2025年WRCのドライバーズラインナップが決まりつつある一方、チーム代表のヤリ‐マティ・ラトバラがヨーロッパ・ヒストリックラリー選手権(EHRC)へのフル参戦を計画しているというニュースが伝えられていることで、新しいチーム代表が任命されるのではという憶測も流れている。
現在39歳のラトバラは、1992年仕様のトヨタ・セリカで2025年に開催されるEHRC全9戦に参戦する予定だという。ラトバラは来年3月のサファリ・ラリーケニア後に監督職を退き、1993年にトヨタで自身最後の世界タイトルを獲得したユハ・カンクネンが後任に就くという見方もある。
「自分がどれだけドライビングを愛しているか、みんな知っていると思う」とWRC.comに語っているラトバラは、2021年からトヨタのWRCチームの代表を務めている。
ロバンペラ同様、エルフィン・エバンスも2025年のWRCにフル参戦するが、オジエが何戦参戦するかは明らかになっていない。また、公式な発表は行われていないが、サミ・パヤリは2025年はGRヤリス・ラリー1ハイブリッドでの参戦が増えると見られている。今季は厳しいシーズンとなりWRCチリをスキップする経験もした勝田貴元は、2025年もフル参戦すると見られている。
(Graham Lister)