メジャーでは3球団を渡り歩いた藤浪。果たして、FAとなった今オフに4球団目を見つけられるか。(C)Getty Images「フジナミが健康で、制球力も示せるなら…」 夢を追い続けてきた日本人右腕は、今冬にひとつの決心を固めた。…

 

メジャーでは3球団を渡り歩いた藤浪。果たして、FAとなった今オフに4球団目を見つけられるか。(C)Getty Images

 

「フジナミが健康で、制球力も示せるなら…」

 夢を追い続けてきた日本人右腕は、今冬にひとつの決心を固めた。

 メッツ傘下の3Aシラキュースで今季を終えた藤浪晋太郎が、今オフにプエルトリコで開催されるウインターリーグにキャリア初参戦。ヒガンテス・デ・カロリーナに所属しながら来季の移籍先を模索する。

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 メジャーキャリアは2年目にして岐路を迎えている。メッツと1年総額420万ドル(約6億2400万ドル)の契約を締結した今季の藤浪は5月中旬に右肩痛で離脱。その後は1度のメジャー昇格も果たせぬまま、7月26日に40人のロースターから外れた。

 この“事実上の戦力外”(DFA)を言い渡されてからもメッツ傘下に留まった藤浪。3Aでは29試合に登板して、防御率6.68、与四球率8.17と鳴かず飛ばず。完全復活をアピールするには至らなかった。

 相次ぐ故障によるコンディション面の不安と苦心続きだったシーズン後のウインターリーグ参戦は、メジャー球団の国際スカウトも多く集まる中で契約を得るという本人の意志の表れでもある。また、同世代の大谷翔平(ドジャース)が異彩を放つ舞台にふたたび立つという想いは強いはずである。

 もっとも、3Aでも“結果”を残せなかったパワーアームへの米球界内での評価は当然ながらシビアだ。

 日々各国球界の移籍情報を発信している『MLB Trade Rumors』は10月半ばに掲載したリポート内で「プエルトリコ(ウインターリーグ)のパフォーマンス次第では不可能ではないが、今オフのメジャー契約の可能性は低い」と指摘。過去2年間で露呈した“技術力”の低下をふまえ、次のように見通している。

「フジナミがメジャー球団の関心を引くためには、何よりも健康状態の良さをアピールする必要がある。もしも、プエルトリコで健康そうに見え、右肩の負傷後に落ちた約2マイルの平均球速をちょっとでも上げられているなら、少なくとも来年の春季トレーニングに招待される。メジャーのスカウト陣は彼のようなパワーアームには何よりも惹かれる傾向にあり、フジナミが健康で、制球力も示せるなら、問題なく契約が成立する」

DFAとなった今夏には古巣・阪神や日本ハム、そしてオリックスの名が

 メジャーでの生き残りが厳しいとなれば、本人もNPB復帰に本格的に方針をシフトする可能性もある。テキサス州サンアントニオで行われたGM会議に参加したスコット・ボラス代理人は「日本からの興味も含めて検討することになる」と米複数メディアの前で明言している。

 となると、受け皿となるのはどこか。DFAとなった今夏には古巣・阪神や日本ハム、そしてオリックスの名が世間を賑わせた。

 NPB復帰をしたとしてやはり注目を集めそうなのは、10年のキャリアを積んだ古巣での再興という路線か。今季終了後にチームに就任した藤川球児新監督とは現役時代から師弟関係を深めてきた間柄として知られる。レジェンド指揮官の下で技術を磨き直し、再起を遂げるという姿を望む虎党は少なくないはずだ。

 果たして、メジャー契約を最優先に掲げる藤浪は今冬にどのような決断を下すのか。正念場を迎える30歳にはウインターリーグでの“結果”が求められそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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