第49回エリザベス女王杯(10日/GI、京都芝2200m)には、3歳牝馬・レガレイラ、薔薇一族のスタニングローズ、上がり馬のホールネスなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ハーパー」を取り上げる。
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■ハーパー
【中間調整】昨年の牝馬3冠で4着→2着→3着。続くエリザベス女王杯でも3着と高い底力の持ち主だ。しかし今年2024年は大スランプに陥り、3戦すべてでフタ桁着順。前走・府中牝馬Sは春に減っていた馬体がしっかり戻っており、攻めも順調に思えたが途中でレースを止めてしまったような状態で最下位15着に終わっている。
秋始動戦は凡走も凡走だったが1回叩いての上積みに期待され、予定通りエリザベス女王杯へ進むことに。10月20日から時計を出し始め、1週前のCW3頭併せでラストに若干のスブさはあったもののしっかり伸びて最先着を果たした。この日装着したブリンカーの効果は一定程度あったようだ。
【最終追い切り】1週前追いである程度速い時計を出しているので、レース当週は坂路単走・馬なりの調整。坂の半ばで前方に行く別厩舎の馬を見て力んでしまい、重心が上ずってしまう。最後まで馬なりを保ってはいたが、ラスト2Fは12秒5-12秒7と失速ラップだった。
【見解】攻めそのものは順調にこなせており、体調や脚元などに問題はなし。不振の要因は精神的なものが大きいのだろう。今回の最終追いもメンタルのブレが影響したような感じで、精彩を欠いていた。本番ではブリンカーを装着する予定で一変してくる可能性はもちろん秘めているが、最終追いの動きからすると強くは推しづらい。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。