ハヤテ・倉本寿彦が胸中を語った 今季からウエスタン・リーグに新規加入した「くふうハヤテ」でプレーした元DeNAの倉本寿彦内野手が、現役を続行しNPB復帰を目指す意向を語った。来季もハヤテと契約の見込みで、NPB復帰への可能性はかなり低いこと…
ハヤテ・倉本寿彦が胸中を語った
今季からウエスタン・リーグに新規加入した「くふうハヤテ」でプレーした元DeNAの倉本寿彦内野手が、現役を続行しNPB復帰を目指す意向を語った。来季もハヤテと契約の見込みで、NPB復帰への可能性はかなり低いことを理解しながらも「挑戦は続けたい」と思いを語った。
「厳しさを、だいぶ感じた1年間でした。厳しいというのは分かっていましたが」
横浜高、創価大を経て2013年に日本新薬に入社。2014年ドラフト3位でDeNAに指名されプロ入りした。2016年にはチーム最多の157安打を放ち、2017年はフルイニング出場するなど正遊撃手として活躍。だが若手の台頭もあって徐々に出場機会は減少し、2022年オフに戦力外通告を受けた。それでもNPB復帰を目指して2023年は古巣の日本新薬でプレーし、今季からくふうハヤテに加わった。
ハヤテでは65試合に出場。チームでただ一人、打率を3割台(.349)に乗せ、長打率.389、出塁率.383はともにチームトップとNPB経験者としての存在感を示した。しかし、NPB12球団が支配下選手登録できる補強期間(7月31日)までにオファーは届かなかった。ハヤテ、オイシックスの2軍新規参入2球団から、このタイミングでのNPB入りを果たした選手はいなかった。
それでも倉本は悲嘆することなくプレーを続けた。「数字が残ったのも良かったんですけど、数字以外の面でもまだ挑戦できるなという気持ちを感じることができたのがよかったです。まだまだグラウンドに立てるなという。数字よりもそっちの方が嬉しかったですね。自分に負けなかったというか」。数字よりも、高いモチベーションを保ったままシーズンを戦えたことに手応えを感じていた。
「チームの力になりたいと思っています」
このオフ、球団はすでに13人の選手退団を発表している。倉本は現在、ハヤテの秋季キャンプに参加している。来季の契約は「まだしていないです」というが、参加メンバーは「来季の戦力とされている選手が残っている感じです」と語った。倉本自身も「必要としていただけるのであれば、チームの力になりたいと思っています。頑張りたいと思っています」と来季もハヤテでプレーを続ける意向を示した。
NPB復帰への思いは消えていない。「今年は怪我で離脱して、残念なところもあったんですけど、そこだけはブレることなくというか、チャンスがある限りは挑戦していきたいです」と言い切った。
「そろそろダメなのかなというよりは、まだできるんじゃないかという気持ちを1年間通して持つことができた。その前向きな気持ちは自信に繋がるんじゃないかと思っています。1歩ずつ前向きに頑張りたいですね」。来年1月に34歳になる。心も体も若手に負けていない。(湯浅大 / Dai Yuasa)