「年齢を重ねると、運動してから筋肉痛があらわれるまでの期間が長くなる」そんな言葉を聞いたことはありませんか? でもそれって本当なのでしょうか。今回は、筋肉痛が遅れる本当の原因と、効果的な回復方法についてご紹介します。【関連記事】睡眠中に足…
「年齢を重ねると、運動してから筋肉痛があらわれるまでの期間が長くなる」そんな言葉を聞いたことはありませんか? でもそれって本当なのでしょうか。
今回は、筋肉痛が遅れる本当の原因と、効果的な回復方法についてご紹介します。
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1.筋肉痛が遅れるのは加齢のせい?
筋肉痛が遅れるのは、加齢のせいではありません。筋肉痛がくるタイミングはどんな運動をしたか、どう筋肉を使ったかによるといわれており、たとえば、筋肉を伸ばしながら力を入れるような運動をしたときにでる筋肉痛を「遅発性筋肉痛(DOMS)」といいます。この「遅発性筋肉痛」は運動をした翌日以降に痛みがみられ、その後3~7日程度痛みが続く傾向があることから、「加齢による筋肉痛の遅れ」と勘違いされることがあるのです。(※1)
2.遅れてくる筋肉痛を予防する方法
遅発性筋肉痛の痛みに数日間耐え続けるのはつらいですよね。そこで、ここからは、遅れてくる筋肉痛を予防する方法をご紹介します。
2-1.ウォーミングアップをする
運動前のからだは、筋肉が硬く縮んだ状態。筋肉が収縮時に断裂しやすくなっているので、運動前はストレッチや軽い体操などのウォーミングアップを行い、血流を改善して筋肉が柔軟になってから運動するようにしましょう。
2-2.しっかりクールダウンする
ストレッチや軽い体操が必要なのは運動前だけではありません。運動後も行なうことで血流が促され、疲労がたまりにくくなります。
さらに、運動後に筋肉が熱を持っていると感じたら、アイシングなどで冷却するのも大切。
筋肉痛を残さないためにも、運動後はしっかりクールダウンしてください。
2-3.いきなり激しい運動をしない
いきなり激しい運動をしてしまうと、筋肉へ急激な負荷がかかり、筋肉が傷つきやすくなってしまいます。また、運動習慣のない人が急に激しい運動をすると、おもいがけない怪我につながるリスクもあります。軽い運動強度のものから始め、少しずつ負荷をあげていきましょう。
3.つらい筋肉痛を和らげるには
ストレッチなどで筋肉痛を予防しても、どうしても筋肉痛になってしまうこともありますよね。そんなときに役立つ方法もご紹介します。
3-1.軽い運動をする
筋肉痛の痛みは、筋肉に生じた傷を修復する過程で発生します。この修復を促進し、筋肉痛の回復を早めるためには、血行をよくすることが大切。ストレッチや軽い運動をすることで血行が促されます。(※1)
3-2.マッサージをする
筋肉痛を和らげるにはマッサージをするのもいいでしょう。ローラーマッサージ機を使ったマッサージで遅発性筋肉痛が軽減するという調査結果もあります。(※2)
ただし、揉みすぎると筋肉痛を悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。
3-3.筋肉痛を和らげる栄養素を摂る
アミノ酸の摂取が筋肉痛を軽減するとされています。(※3)
アミノ酸を含む卵や牛乳、大豆食品や肉類などを、運動後に食べるといいでしょう。
4.筋肉疲労の回復には漢方も役立つ
筋肉疲労の回復には漢方薬もおすすめです。漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られているため、筋肉の疲労回復だけでなく、痛みやしびれの軽減や冷えなど、さまざまな症状にアプローチできます。
筋肉痛の人は、「血流をよくして筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する」「からだを温めて筋肉をゆるめる」「筋肉の痙攣やこわばりを緩和する」といった働きを持つ漢方薬を服用するといいでしょう。
<筋肉痛の人におすすめの漢方薬>
・葛根湯(かっこんとう):からだを温めて血流をよくすることで、筋肉の緊張を和らげて痛みを改善します。
・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう):筋肉の緊張をゆるめて、痙攣や痙攣に伴う痛みを和らげることで筋肉痛を改善します。
漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用のリスクが低いといわれていますが、使用する前には、医師や薬剤師に相談したほうがいいでしょう。
最近は、スマホひとつで漢方薬のプロに相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスもあります。手軽かつ安心して漢方薬を活用できる点も魅力です。
5.遅発性筋肉痛を予防し、回復を早めよう
筋肉痛が遅れる原因は加齢だけではありません。
遅発性筋肉痛には、まずは予防が大切。筋肉痛になってしまったら、軽い運動やストレッチやマッサージをしたり、アミノ酸を摂取したり、漢方薬を服用したりして回復を早めるといいでしょう。
自分に合う方法で、筋肉痛に悩まされることなく、楽しく運動習慣を続けてください。
参考サイト:
(※1)健康長寿ネット「筋肉痛の予防と治す方法」 公益財団法人長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-shougai/kinnikutsu.html
(※2)THE EFFECTS OF SELF‐MYOFASCIAL RELEASE USING A FOAM ROLL OR ROLLER MASSAGER ON JOINT RANGE OF MOTION, MUSCLE RECOVERY, AND PERFORMANCE: A SYSTEMATIC REVIEW | Int J Sports Phys Ther. 2015 Nov; 10(6): 827–838.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4637917/
(※3)Effects of amino acid supplementation on muscle soreness and damage | Int J Sport Nutr Exerc Metab. 2006 Dec;16(6):620-35.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17342883/
[文:あんしん漢方]
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。