水谷は交流戦でMVPを獲得した(C)産経新聞社 2年連続最下位から2位フィニッシュと大躍進を遂げた今季の日本ハム。 開幕から様々なドラマが生まれた中で、今年大ブレイクを果たした一人に水谷瞬がいる。【動画】ここまで飛ぶ?水谷が戸郷から放った…
水谷は交流戦でMVPを獲得した(C)産経新聞社
2年連続最下位から2位フィニッシュと大躍進を遂げた今季の日本ハム。
開幕から様々なドラマが生まれた中で、今年大ブレイクを果たした一人に水谷瞬がいる。
昨オフに現役ドラフトでソフトバンクから加入した水谷。潜在能力の高さは多くの人々から認められながらも、プロ5年間で1軍出場なしのロマン砲の背中を押したのは、やはり新庄剛志監督だった。
春季キャンプは2軍スタート、しかし2月4日の紅白戦でいきなりホームランを放つと、その後も実戦6試合で15打数6安打2打点とアピールに成功し、キャンプ中盤から1軍に合流した。
しかしオープン戦では結果は残せず、開幕は2軍スタートに。1軍合流となったのは4月9日のソフトバンク戦。6年目にして待望のプロ初昇格を果たす。そして11日のソフトバンク戦に「6番・左翼」でプロ初スタメンに抜擢されると、1点を追う3回一死満塁の場面。相手先発、大関友久が投じた初球のチェンジアップを捉えた。プロ初ヒットが適時打となり、初打点を記録した。
その後、一度登録が抹消され、5月下旬に再昇格。そんな水谷の名が一躍広まったのが、交流戦だ。6月2日のDeNA戦で待望のプロ初アーチを記録すると、交流戦では15試合連続安打をマークするなど大爆発。出場18試合で28安打13打点3本塁打。打率は交流戦歴代最高の「.438」と驚異的な数字を残し、交流戦MVPにも輝いた。
その後も調子を落とすことなくコンスタントに結果を残すと、プラスワン投票で夏の球宴にも初選出された。後半戦においてもすっかり打線には欠かせない存在となり、スタメンに定着していった。
そして9月4日、敵地で行われたソフトバンク戦では2-5の9回、同点に追いつき、なおも二死二塁で打席が回ってきた。代わった岩井俊介の直球を左前へ運び、決勝タイムリーをマーク。チームの大逆転劇に貢献し、ここまでの歩みを振り返って、塁上では涙する場面も印象的だった。
持ち前のスケールの大きさとパンチ力で打線を支え、チーム6年ぶりのクライマックスシリーズ進出に導く立役者の一人となった。出場97試合で打率「.287」、9本塁打、39打点と、昨季まで1軍出場経験なしとは思えないブレイクぶりで、一気にその名を野球ファンに知らしめた。
打撃では十分な力を示した水谷だが、レギュラー定着へ向け課題とされるのは守備面にもある。スタメン出場した試合でも終盤には守備固めで交代させられる場面が目立った。
シーズン2位から、チームとしてV奪回を目指す来季に向けては走攻守、すべてでレベルアップが求められる。シンデレラボーイには日本ハムファンの間からも「ロマンしか感じない」など、応援の声が多く上がっている。来季はどんな規格外の活躍を見せてくれるのか。今から楽しみにしたいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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