ホープフルS以来のGI奪取を狙うレガレイラ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)、一昨年の秋華賞馬スタニングローズ(牝5、栗東・高野友和厩舎)らが出走するエリザベス女王杯(3歳上・牝・GI・京都芝2200m)。 混戦模様のこの一戦を新進気鋭の“回…
ホープフルS以来のGI奪取を狙うレガレイラ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)、一昨年の秋華賞馬スタニングローズ(牝5、栗東・高野友和厩舎)らが出走するエリザベス女王杯(3歳上・牝・GI・京都芝2200m)。
混戦模様のこの一戦を新進気鋭の“回顧派”予想家「Orfe」氏はどう見るか。前哨戦の分析を中心に展望する。
(文=Orfe)
◆前哨戦分析
エリザベス女王杯の主要な前哨戦3レースについて、私の提唱しているレースバイアス(展開・馬場などレース結果に影響を与えたであろうバイアスの総称で最も影響が大きい4角での位置取りを基に独自の基準で判定。以下RBと表記)に基づいて検証したい。
・ローズS(GII):『前有利』/レガレイラ
本レースではセキトバイーストが大逃げを打ったが前半1000m通過60.3秒と乱ペースではなく後続はどスローの上がり勝負。余力のあった先行馬が雪崩れ込み、その中でも速い脚を繰り出せたクイーンズウォークが好位から抜け出し、1〜8着馬のうち本馬を除く7頭が4角8番手以内と『前有利』が顕著だった。その中で物理的に届かない4角15番手から上がり最速で追い込み5着に敗れたレガレイラは要注目。
・府中牝馬S(GII):『後有利』(暫定)/該当なし
前半1000m通過58.7秒と淡々と流れながらもレース上がり3Fが加速ラップとなり、内から馬群を捌いて抜け出したマスクトディーヴァを外から上がり3F・32.8秒の豪脚を繰り出したブレイディヴェーグが差し切ったレース。
逃げたコンクシェルも上がり3Fが推定11.7-11.4-11.8程度でラスト1Fも完全に止まっておらずキレ負けた形。本レースで先行し好走したフィアスプライドは今回出走しないが、着外に敗れた先行勢も巻き返す余地はあり。
・新潟牝馬S(L):『外有利』(暫定)/該当なし
前日の雨の影響もありタフなコンディションでの開催かつペースも流れたことで、上がりの掛かるレースとなり馬場の綺麗な外から1人気ホールネスが差し切ったレース。1〜3着馬はいずれも4角『外』なので暫定ではあるが『外有利』と評価する。
◆狙い馬、過大評価禁物の馬
これらを踏まえてエリザベス女王杯で狙いたい馬は1人気想定ではあるがレガレイラ。
前述の通り前走のローズSは上がり最速33.1秒を繰り出しても届かないほど強烈な『前有利』であり、この組からは秋華賞に5頭が出走したがラヴァンダを除けば残る4頭は惨敗。
そのラヴァンダはローズSの先行勢では最も外を回していたことから『前有利』かつ『内有利』とも仮定でき、このどちらにも反するポジションから5着まで追い込んできた点は素直に評価すべき。
どうしても後方から追い込む脚質のため今回も差し切れない形はあるだろうが、加速力の部分でまだ成長の余地がある本馬にとってこの鞍上+京都コースなら下りを利して差し届く可能性はかなり高いと見ている。
一方で過大評価禁物な馬としてはホールネスを挙げておく。
前走の新潟牝馬Sは次走出走馬がまだおらず暫定になるが、4角で外を回した本馬を含む3頭での決着になったことからも『外有利』の評価。
着差こそつけての勝利も2着エリダヌス、3着ミスフィガロともに3勝Cを勝ち上がっておらず、メンバーレベルも高くはない一戦だった。
GIIIマーメイドSでは逆バイアスで3着に好走したが、勝利したのはRBに恵まれたとはいえ2勝クラスを勝ったばかりのアリスヴェリテ。
そのマーメイドSでは牝馬限定重賞で実績のあるコスタボニータに先着しているが、コスタボニータはアオるようなスタートで出遅れ、『前有利』なRBと斤量差も重なっての10着で勝負付けが済んだわけではない。
したがって、この2戦でのパフォーマンスからは重賞級とするには時期尚早である。