■清水はJ2優勝をかけてホームでいわきFCと対戦「超攻撃的」が、ホームで歓喜に酔いしれた。 J2リーグは残り2試合となり、11月3、4日に第37節が行なわれた。すでにJ1昇格を決めている清水エスパルスは3日、ホームのIAIスタジアム日本平…

■清水はJ2優勝をかけてホームでいわきFCと対戦

「超攻撃的」が、ホームで歓喜に酔いしれた。

 J2リーグは残り2試合となり、11月3、4日に第37節が行なわれた。すでにJ1昇格を決めている清水エスパルスは3日、ホームのIAIスタジアム日本平に8位のいわきFCを迎えた。

 ここまで勝点76の清水は、この試合に勝つと勝点79となる。勝点74で2位の横浜FCが今節の試合で引分け以下に終われば、最終節を待たずにJ2優勝が決定する。

 清水はFW北川航也が前節の退場に伴う出場停止で、GK権田修一、CB高橋祐治が2試合連続でメンバー外となった。DF北爪健吾、MFルーカス・ブラガもメンバー外である。DF山原怜音が3試合ぶりにメンバー入りしたが、MF乾貴士、MFカルリーニョス・ジュニオらとともにベンチから出番を待つ。秋葉忠宏監督は3-4-2-1のシステムを採用した。

 いわきは4試合勝利から遠ざかっているが、終盤までJ1昇格プレーオフ進出の可能性を残した。この日は1トップ2シャドーへ中長距離のパスを供給し、サイドで起点を作る狙いを持ちつつ、セカンドボールを保持して攻めようとする。それに対して清水は、ボールの奪いどころを定めることができない。17分、18分には連続して決定機を許すが、GK沖悠哉の好守などでしのぐ。

 チャンスはリスタートから作った。34分に直接FKから1トップのドウグラス・タンキが、38分には右CKからMF中村亮太朗がヘディングシュートを浴びせるが、ゴールネットを揺らすことはできない。清水はスコアレスのまま前半を終えた。

■DF蓮川のJリーグ初ゴールが決勝弾に!

 秋葉監督は後半開始とともに、MF松崎快に代わってMFカルリーニョス・ジュニオを投入する。さらに63分、ボランチ宇野禅斗を下げて乾を投入する。カルリーニョス・ジュニオと乾が2シャドーに入り、MF矢島慎也が2シャドーの一角からボランチへポジションを下げる。この選手交代でボール保持率が高まり、相手守備陣にはっきりと圧力をかけられるようになる。

 秋葉監督は70分にも2枚替えを行ない、攻撃のギアをさらに上げていく。スタジアムのテンションが高まるなかで、清水が81分にゴールをこじ開ける。西澤健太の右CKをニアサイドの中村がフリックすると、DF蓮川壮大が頭でプッシュした。蓮川はJリーグの全カテゴリーを通じて、自身初ゴールである。

 残り時間はJ2優勝へのカウントダウンとなった。4分のアディショナルタイムを経て、試合終了のホイッスルが鳴る。ほどなくして、横浜FC対栃木SCがドローに終わったとの情報がもたされる。清水のJ2優勝が決定したのだった。

 清水の今シーズンは、昨年12月のJ1昇格プレーオフから始まっている。「日常から変えるところから始まった」と、秋葉監督は振り返る。「当たり前のことを誰よりもやる、そういう集団になったからこそ勝負強さ、ホームで無類の強さを発揮できています」と続けた。

 今シーズンは1点差ゲームが「15」あり、その成績は13勝2敗だ。拮抗した試合で、勝負強さを見せることはできた。一方で、J1昇格を目前とした34節の水戸ホーリーホック戦は引分け、翌35節のモンテディオ山形戦はホーム初黒星を喫している。プレッシャーと真正面から向き合うシーズン終盤に、勝負強さにおいて課題を残したのも事実だ。

 チームの中心として機能したCB住吉ジェラニレショーン、MF中村、MFルーカス・ブラガは、期限付き移籍でプレーしている。今夏に加入してボランチの一角を担った宇野、この日のいわき戦で決勝弾の蓮川も、期限付き移籍中だ。新シーズンへ向けて、彼らを引き留められるのか。あるいは、彼らに代わる選手を獲得できるのか。

 35歳の権田、36歳の乾の健在ぶりは頼もしいものの、若手の台頭が望まれる。17歳のU-19日本代表MF西原源樹は未来への希望だが、20代後半から30代の選手が中心となるチーム編成は、J1定着を考えると検討の余地が大いにあるだろう。

 Jリーグのオリジナル10のひとつである清水は、J1で戦い続けるべきチームだ。ここからは、J1でいかに勝点をつかんでいくのかに、思考を切り替えていく必要がある。

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