甲斐の決断次第で今オフは捕手の大移動が起きそうだ(C)産経新聞社 11月5日よりプロ野球のフリーエージェント(FA)権の申請が始まる。 有資格者は土日を除いた7日以内に権利行使の意思を在籍球団に伝えることで「FA宣言選手」として公示され、他…

甲斐の決断次第で今オフは捕手の大移動が起きそうだ(C)産経新聞社

 11月5日よりプロ野球のフリーエージェント(FA)権の申請が始まる。

 有資格者は土日を除いた7日以内に権利行使の意思を在籍球団に伝えることで「FA宣言選手」として公示され、他球団との交渉が解禁となる。今年の場合は13日が申請締め切り。14日に公示、15日から交渉スタートだ。

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 本稿では注目選手、ならびに権利行使が有力視される選手をまとめていきたい。

■捕手の大移動が起こるかも

 今オフ最大の注目ポイントは、ズバリ「捕手」だ。

 甲斐拓也(ソフトバンク)、大城卓三(巨人)、坂本誠志郎(阪神)、木下拓哉(中日)と、国内FA権を初めて取得した捕手が4人も揃う。その中でも特に甲斐と大城の動向には関心が高まっている。

 報道を総合すると、甲斐は熟考の意向を示している。大城も現政権になってから捕手としての出番が減っており、より評価してもらえる場所を探す可能性はゼロではない。

 坂本はすでに海外FA権を所持する同僚・梅野隆太郎との兼ね合いがポイント。木下は今季こそ成績を下げたが、強肩強打ぶりは評価が高い。

 彼らがいずれも権利を行使した場合、捕手の大移動が起こり得る。球界の勢力図が大きく変わるかもしれない。

■セ・リーグの主軸打者が権利行使?

 大山悠輔(阪神)と佐野恵太(DeNA)。セ・リーグを代表する2人の主軸打者にも注目だ。

 大山は近年の「阪神の4番」を守り続けたスラッガー。主要タイトルの獲得歴こそないが、勝負強い打撃と安定した一塁守備は確実に計算できる。また、チームに尽くす献身性や出塁率の高さも魅力的。こちらも甲斐と同様に熟考のようだが、権利行使の場合は残留を含めて複数球団が獲得に名乗りを上げるだろう。

 佐野は首位打者、最多安打を獲得してきた左の中距離打者。今季は夏場に調子を上げ、チームのCS突破、日本一に貢献。ナインを引っ張るキャプテンシーもあり、実力プラスアルファで評価をする球団がありそう。年俸も1.55億円(推定)とそこまで高くなく、争奪戦に発展する可能性を秘める。

■海外FA権行使→MLB移籍の投手が複数出るか

 投手は海外FA権行使→MLB移籍を検討する者が複数出てきそうだ。

 メジャー移籍が確実視されるのが菅野智之(巨人)。今季は15勝3敗、防御率1.67と復活のシーズンを送り、チームのリーグ優勝に大きく貢献。35歳、満を持してのMLB挑戦となる。

 九里亜蓮(広島)も海外FA権の行使を検討するひとり。球界屈指のタフネススターターで、ローテーションに計算できる1枚を加えたい球団にとっては最適の人材だ。こちらはMLB移籍、残留、国内移籍の選択肢を残しており、まずはその決断に注目したい。

 田口麗斗(ヤクルト)にも権利行使の可能性がある。左腕で先発、リリーフともに高いレベルでこなせる投手はそう多く出てこない。MLBだとおそらくリリーフだろうが、多彩な変化球で屈強な外国人打者を抑える姿は想像に難くない。

[文:尾張はじめ]

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