京都競馬場で11月10日(日)に行われるエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)。1975年まで実施のビクトリアカップを前身とし、76年にエリザベス2世が来日したことを記念して創設された。当初は4歳(現3歳)牝馬三冠の最終戦とさ…
京都競馬場で11月10日(日)に行われるエリザベス女王杯(3歳上牝・GI・芝2200m)。1975年まで実施のビクトリアカップを前身とし、76年にエリザベス2世が来日したことを記念して創設された。当初は4歳(現3歳)牝馬三冠の最終戦とされていたが、96年の路線改革で古馬にも開放。以降は下半期の女王決定戦として定着している。本稿では同レースの開催にあたり、歴代勝ち時計をランキング形式で紹介する。
■1位 2分10秒3 2020年 ラッキーライラック
※阪神芝2200mで代替開催のため参考記録
デビュー4連勝でアルテミスS、阪神JF、チューリップ賞を制したが、牝馬三冠ではアーモンドアイの後塵を拝す。しばらく勝ち星から遠のいていたが、4歳時にエリザベス女王杯、5歳時に大阪杯を制して中距離戦で存在感を発揮。京都競馬場の改修工事により、阪神芝2200mが舞台となった20年のエリザベス女王杯には1番人気で出走した。道中は1000m通過59.3秒のミドルペースを後方で運び、勝負どころでマクリ気味に進出すると、最後まで脚は衰えずクビ差で振り切って勝利。史上4頭目の連覇を達成した。
■2位 2分11秒2 2001年 トゥザヴィクトリー
4歳時にクイーンS、府中牝馬S(当時GIII)を連勝し、エリザベス女王杯に挑むが4着。続くサンスポ杯阪神牝馬特別(現・阪神牝馬S)を勝って再び勢いに乗ると、フェブラリーS3着、ドバイWC(首G1)で2着とダートでもトップクラスの実力を見せる。帰国初戦となった5歳時のエリザベス女王杯は、これまでの先行策から一転、脚を溜める作戦をとり、最後はローズバド以下、5着までが0.1秒差にひしめく大激戦を制した。1位のタイムは参考記録であり、勝ち時計の2分11秒2は、今でもGI競走における最古のレコードとなっている。
■3位相当 2分11秒4 2006年 カワカミプリンセス
※1位入線も12着降着のため参考記録
新馬戦は逃げ切り勝ち、続く君子蘭賞は道中16番手からの差し切り。気性的な難しさを抱えつつも、世代トップクラスの実力を持っていた。それを証拠に桜花賞は賞金不足で出走できなかったが、スイートピーS、オークス、秋華賞と無傷5連勝。エリザベス女王杯は古馬相手に1番人気で出走した。1000m通過が57.4秒のハイペースとなり、直線では決め手比べに発展。カワカミプリンセスは内に切れ込みながら脚を伸ばし、1馬身半の差を付けて1位入線を果たしたが、進路妨害の裁定が下り、12着に無念の降着となった。
■3位 2分11秒6 2011年 スノーフェアリー
3歳時に英・愛オークスをダブル制覇し、同年秋のエリザベス女王杯で初来日した。日本競馬のレベル向上や馬場適性の差で徐々に外国馬の好走例が減ってきていた時期でもあり、どこまで通用するか注目が集まっていたが、終わってみれば4馬身差の圧勝。その後、香港や欧州で実績を積み上げ、翌年には再びエリザベス女王杯に参戦する。今度は1番人気を背負ってレースに挑むと、18番の不利な枠順をものともせず、切れ味するどい末脚で日本馬を完封。外国調教馬として史上初となる同一平地GI競走の連覇を決めた。
昨年覇者ブレイディヴェーグがマイルCSに向かうため、今年のエリザベス女王杯は“新女王”を決する一戦となる。昨年のホープフルS覇者レガレイラがひさびさの白星を飾るか、ここぞとばかりに上がり馬の台頭があるのか。発走予定日時は10日(日)の15時40分だ。