■中島の電撃弾で先制するが… J2リーグ第37節が11月3、4日に開催され、6位のベガルタ仙台は4日、14位のロアッソ熊本とアウェイで対戦した。 この試合を除く今節の9試合は、3日に消化されていた。3位のV・ファーレン長崎はすでに3位以上を…

■中島の電撃弾で先制するが…

 J2リーグ第37節が11月3、4日に開催され、6位のベガルタ仙台は4日、14位のロアッソ熊本とアウェイで対戦した。

 この試合を除く今節の9試合は、3日に消化されていた。3位のV・ファーレン長崎はすでに3位以上を決めており、4位のファジアーノ岡山が勝点64、5位のモンテディオ山形が勝点63、6位のジェフユナイテッド千葉が勝点61となっている。

 勝点61の仙台は暫定で7位へ後退しているが、最終節で山形と千葉が対戦する。今日の熊本戦に勝利すれば、仙台はプレーオフ進出を決めることができる。

 開始早々に試合を動かした。前線からのハイプレスで相手の3バックにプレッシャーをかけ、敵陣右サイドでボランチの鎌田大夢がパスカットする。背番号10はそのままペナルティエリア内右へ持ち出し、ややマイナス気味のクロスを供給する。これをFW中島元彦が左足で蹴り込んだ。GKが一方も動けないファインゴールは、自身シーズン13ゴール目である。

 熊本は3-3-1-3、仙台は4-4-2の陣形を取る。ショートパスをテンポ良くつないでくる相手の特徴を把握したうえで、仙台は前線から規制をかけながら、ミドルブロックでも対応する。

 だが、16分に同点に追いつかれる。右CB大西遼太郎の縦パスから、CF石川大地にワンタッチボレーを蹴り込まれた。

 1対1となってからは、3バックも最前線へ飛び出してくる熊本にやや押し込まれる。仙台はリスタートと中島の「個」の力でゴールへ迫るが、2点目を奪うことはできずにハーフタイムを迎えた。

■アウェイで痛恨の黒星も「次節勝てばいい」

 1対1のまま迎えた60分、仙台の森山佳郎監督が動く。MF相良竜之介、FWエロンに代えて、DF石尾陸登、MFオナイウ情滋を投入する。

 その直後だった。右サイドからGKとDFラインの間へクロスを供給され、熊本CF石川にヘディングシュートを決められてしまう。CB菅田真啓がマークしていたが、石川に前へ入り込まれてしまった。

 追いかける仙台は、オナイウと右SB真瀬拓海の右サイドから相手ゴールへ迫る。66分、エロンの交代後は2トップへポジションをあげたMF郷家友太がヘディングシュートを放つが、GKの正面を突く。

 森山監督は75分にも2枚替えをする。MF工藤蒼生、真瀬を下げ、MF松井蓮之、FW梅木翼を投入する。

 選手の立ち位置を修正したその3分後、決定的な3点目を喫する。自陣でのボールロストからショートカウンターを浴び、ゴールネットを揺らされてしまった。交代カードを切って流れを変えたいところで、致命的と言ってもいい失点を献上したのだった。

 総シュート数では熊本を上回った。ペナルティエリア内への侵入でも劣らなかった。しかし、効果的に得点を奪われ、手痛い黒星を喫することとなった。

 試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督は、「あのスーパーゴール(1点目)が決まると、熊本の流れになっちゃったかなというところはあります」と話し、「難しいゲームになるのは分かっていた。チャンスは作っていただけに、先に2点目を取れれば、というところです」とも語った。ホーム最終戦を勝利で飾るという熊本のモチベーションを、跳ね返すことができなかった印象である。

 次節は大分トリニータをホームに迎える。勝てば無条件で、J1昇格プレーオフに出場できる。森山監督も「勝ちさえすればいいので、とにかく前を向いていい準備をしたい」と気持ちを切り替えた。

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