決勝進出を逃した失意の韓国戦の翌日、U-18高校日本代表はカナダとの3位決定戦に臨み、8-1で勝利を収めた。だが試合後…
決勝進出を逃した失意の韓国戦の翌日、U-18高校日本代表はカナダとの3位決定戦に臨み、8-1で勝利を収めた。だが試合後、日本代表の主将を務めた清宮幸太郎(早稲田実業)の頬を涙がつたった。
2年前の夏の選手権大会の準決勝で敗れた日や、同年、日本で開催された前回のワールドカップ(W杯)決勝で敗れた日、あるいは昨年の夏、西東京大会の準々決勝で敗れたときも、清宮は涙で顔をぐしゃぐしゃにして報道陣の質問に答えてきた。

世界一を果たすことはできなかったが、U-18W杯で2本塁打を放った清宮幸太郎
だからこそ、この夏が始まる直前の6月、「最後の夏は笑って終わりたい」と打ち明けていた。しかし、2年ぶりの夏の甲子園を狙った西東京大会では決勝で東海大菅生に敗れ、日本一の目標は潰(つい)えた。
さらに準優勝で終わった前回大会の雪辱を果たすべく臨んだ今回のW杯(カナダ・サンダーベイ)では、ホームランこそ2本追加して高校通算本塁打数を111本に伸ばしたものの、アメリカ、カナダ、そして韓国に敗れて、決勝の舞台に立つことすらできずに終わった。
掲げた目標をひとつもクリアすることができなかった。その悔しさ以上に、高校野球が終わってしまったという寂寥の思いが、今回の涙につながったのだろう。
「もう終わっちゃったんだな、って。そう思うと涙が出た。ちょっと寂しかったし、悲しかった」
そして今大会を振り返った清宮は、こう悔しさをにじませた。
「自分が情けない。全然打てなかったですし、キャプテンとして(チームに)何も貢献できなかった。それでも4番でずっと使っていただいた。もう少し恩返しできていれば……決勝にも進むことができたと思いましたし、世界一にもなれたと思う」
この夏、清宮は本塁打を量産するだけでなく、広角に強い打球を放つなど、本人も「この1年の成長」と自信を深めていた。
しかし国際大会となると、外国人投手の球威のあるボールに差し込まれる場面が目立ち、逆方向への打球はパタリと止まった。高校日本代表の4番打者として、9試合で32打数7安打(打率.219)、2本塁打、6打点の成績に終わった。
「まだまだ自分の実力がないし、もっと練習しなきゃならない。足りないものが多く感じられたし、自分の成長の余地があると思いました」
この夏の甲子園で大活躍した中村奨成(広陵)が苦しんだ(25打数3安打)ように、清宮も木製バットへの対応に苦心した。普段の練習では木製バットを使用していても、いざ試合となれば勝手が違った。清宮は言う。
「バットの差はあまり気にしていなかったんですけど、結果を見たら……まぁ(違いが)あったのかな。日本の大学生は(世界大会で)圧倒的に強いじゃないですか。それは4年間での木製バットの経験があるからなのかなと思います」
大学進学か、それともプロか--。気になる進路に関しては、「今はまだ決めていない」と話し、これから両親らと相談して決断するという。
「消去法で決めるのは嫌なので……。自分は何をやりたいのか。それをしっかり見つけて、一番いい選択ができれば……」
日本一と世界一。高校野球最後の1年で目指した目標をいずれも逃した清宮だが、失意を晴らす舞台はどこになるのだろうか。