キャッシュマンGMはフリーマン獲得に消極的だったとされる(C)Getty Images 2009年以来のワールドシリーズ…

キャッシュマンGMはフリーマン獲得に消極的だったとされる(C)Getty Images

 2009年以来のワールドシリーズの舞台に進んだヤンキースの最後は悲惨だった。

 現地30日(日本時間31日)に行われたワールドシリーズ第5戦は6-7の逆転負け、シリーズ対戦成績1勝4敗で終戦を迎えた。

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 4回までに5点を奪い、圧倒的なリードを保ちながら、5回に主砲、アーロン・ジャッジの落球など味方失策もからんで、先発のゲリット・コールが5失点と崩れる。

 5-5の同点に追いつかれると、ヤンキースは6回にジアンカルロ・スタントンのソロで勝ち越すも、8回に無死満塁のピンチを迎え、ギャビン・ラックスの犠飛で同点に追いつかれると、ムーキー・ベッツの決勝犠飛で逆転を許す。

 その後9回にやり返す力は残っていなかった。最終的に6-7と敗れ、本拠地ヤンキースタジアムのファンも失意のまま、球場を後にした。

 戦前はアーロン・ジャッジ、フアン・ソト、ジアンカルロ・スタントンなど強力打線を擁するヤンキースが有力という見方もあったが、いざ開幕すれば、1勝するのがやっとという体たらく。

 敗戦にはシリーズMVPに輝いた、手負いのフレディ・フリーマンを止められなかったことも影響した。

 シーズン終盤に右足首を捻挫しながら、ワールドシリーズ5試合で20打数6安打、12打点、4本塁打と圧巻のパフォーマンスを記録。特に本塁打は2021年のブレーブス時代から続く6試合連続弾を放ち、MLB史上初の快挙を打ち立てるなど、チームの世界一奪回に大きく貢献を果たしたのだ。

 そしてそのフリーマンをヤンキースは獲得する機会を逃がしたとされる。

 米メディア「FanSided」は、ワールドシリーズで活躍した先発陣の山本由伸、ジャック・フラハティに加え、MVPに輝いたフリーマン、「この3人をキャッシュマンが逃がした」と報じている。

 まずフリーマンに関しては「2021年オフ、元ブレーブスのフリーマンはFA史上最高の選手だったが、キャッシュマンはまったく交渉できなかった」と断じる。

 フリーマンが当時検討したのはドジャースとブレーブスだけとされるが、フリーマンは「『キャッシュマンと話はしたが、オファーはなかった』と語っている」と記事では紹介。当時はヤンキースが獲得に乗り出しているとも報じられていたが、消極的だったことが明らかになってきた。

 さらに投手難となったドジャースでプレーオフの救世主ともなったジャック・フラハティに関してもドジャースに今年7月にトレード加入したが、直前までヤンキースに入団間近だったとした。 

 入団前のメディカルチェックで懸案事項が見つかったことで「キャッシュマンがトレードを中止した」と報じている。

 最後は山本由伸について。同記事は「これが一番痛いかもしれない」として、最後はヤンキース、メッツ、ドジャースと三つ巴の争いが注目される中、「絶頂期の山本にドジャースは10年3億2500万ドル(約495億円)を払ったが、ニューヨークはそうではなかった」とした。

 ドジャースにわずかに及ばない3億ドル(約457億円)でキャッシュマンが金額提示を止めたと紹介。背景にはチームのエースであるゲリット・コールよりも高額契約にはしたくないという、チームバランスも働いたという噂も飛び交ったとした。「彼(山本)を獲得するためには大きな変化が必要である」ことを知りながら、一歩を踏み出さなかったとこちらも編成の失敗だったとした。

 いずれにせよ、ヤンキースは世界一に届かなかった。今オフは主力のフアン・ソトのFAなども抱えながらどんなチーム戦略を取っていくのか。常勝軍団の巻き返しが今後も注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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