◆プロボクシング ▽ 日本スーパーフライ級(52・1キロ以下)最強挑戦者決定戦 △同級1位・重里侃太朗(引き分け)同級2位・山口仁也△(31日、東京・後楽園ホール) 日本スーパーフライ級最強挑戦者決定戦は同級1位の重里侃太郎(じゅうり・かん…
◆プロボクシング ▽ 日本スーパーフライ級(52・1キロ以下)最強挑戦者決定戦 △同級1位・重里侃太朗(引き分け)同級2位・山口仁也△(31日、東京・後楽園ホール)
日本スーパーフライ級最強挑戦者決定戦は同級1位の重里侃太郎(じゅうり・かんたろう)=志成=と同級2位の山口仁也(三迫)が引き分けた。判定はジャッジ1人が77―75で山口を支持、1人が77―75で重里を支持。あとの1人が76―76と三者三様となった。同点としたジャッジはどちらが優勢だったか表記する義務があり、山口を優勢と判断した。勝者扱いとなった山口が来年のチャンピオンカーニバルで日本王者と戦う権利を獲得。来月12日に行われる王者の高山涼深(すずみ)=ワタナベ=と同級12位・青山功(セレス)によるタイトルマッチの勝者に挑戦する。
戦績は28歳の重里が7勝(2KO)2分け、24歳の山口が5勝(2KO)1分け。
顔が腫れ上がった両者が静かに判定を待った。結果は引き分け。勝者扱いで日本王座挑戦権を獲得した山口だが「タイトルに近づけたのはうれしいけど、勝ちたかった」と悔しがった。負けなかったものの、タイトル挑戦はかなわなかった重里は「勝たな意味が無い。勝てば天国、負ければ地獄の覚悟決めた試合だった」と唇をかんだ。
サウスポー同士の無敗対決は1回から壮絶な打ち合いとなった。4回には重里の左ストレートに山口がぐらつく場面も見られた。お互いが一歩も譲らず前に出る姿に試合後は両者に観客から大きな拍手が送られた。
山口は昨年3月に日本ユース・スーパーフライ級王座決定戦で中垣龍汰朗(大橋)を判定2―0で破り、初タイトルを手にした。「タイトルを取った試合だけじゃなく、毎試合成長できている」と自身の進化を実感してきた。今年6月にデビューした弟の友士(三迫)が19日に韓国で行われた試合で2連勝を決めた。26日には同門の渡来美響が日本スーパーライト級(63・5キロ以下)最強挑戦者決定戦で4回TKO勝ち。「次は自分の出番やなって感じです」と重里との無敗対決に向け、意気込んでいた。
ドロー決着に「もっとできることあったなって。打ち合いは得意なのでもっていけると思ったが、相手が強かった」と重里の技術とハートに敬意を表した。その上で、「また練習して、苦手なところもなくしていくようにしないといけない」と来年のチャンピオンカーニバルに向け、さらなる成長を誓った。
惜しくも挑戦権を逃した重里を大阪・興国高の先輩であり、尊敬する元世界4階級制覇王者の井岡一翔(志成)がリングサイドから見守り、最終ラウンドも「ここやぞ。ここで出るんやぞ」とゲキを飛ばした。期待に応えられなかった重里は「あと一歩届けへん。まだ、神様は試練を与える。前向きにやり返す」と山口へのリベンジを誓った。