馬産地に立脚するホッカイドウ競馬は、残り2週で2024年シーズンが閉幕する。31日には2歳牝馬による唯一の交流重賞である報知新聞社杯エーデルワイス賞(Jpn3)、週明けの4日はJBC2歳優駿(Jpn3)が組まれている。 昨年のエーデルワイ…

 馬産地に立脚するホッカイドウ競馬は、残り2週で2024年シーズンが閉幕する。31日には2歳牝馬による唯一の交流重賞である報知新聞社杯エーデルワイス賞(Jpn3)、週明けの4日はJBC2歳優駿(Jpn3)が組まれている。

 昨年のエーデルワイス賞は、北海道勢が1着から4着を占めた。芝スタートのダート戦が多い中央競馬において、オールダートの競馬に戸惑いを見せたり、JRAをもしのぐハイペースの短距離戦を繰り広げているホッカイドウ競馬は、2歳カテゴリーではJRA勢に対して一歩もヒケを取らない。ただ、4戦4勝のリオンダリーナがローレル賞、重賞3連勝中のゼロアワーは川崎へ移籍するなど、数少ない重賞ウィナーの出走が減った状況に加え、今年のJRA勢はオールダートの未勝利を勝ち上がったイッシンフラン(牝2歳、美浦・竹内厩舎)とアーデルリーベ(牝2歳、栗東・斉藤崇厩舎)や、中京でのデビュー戦が圧巻だったミリアッドラヴ(牝2歳、栗東・新谷厩舎)が出走し、北海道勢にとって手強い印象を受ける。

 今年の門別開催に限ったリーディングサイアーは、ダノンレジェンドが31勝で首位。2位モーニンが27勝、3位アジアエクスプレスは24勝とヘニーヒューズ系種牡馬が続く。モーニンは2世代のみだが、連対率は4割を超え、コース相性は抜群。2歳戦に限定すると、モーニンが19勝を挙げ、ベストウォーリアが11勝と大きく引き離している。ただ、その内訳は1000メートルが12勝、1100メートルが4勝を挙げているが、1200メートルは1勝のみ。地元勢で有力馬の1頭であるレディーティアラ(牝2歳、北海道・田中淳厩舎)も、1100メートルの新馬勝ちの後、1200メートルで勝ち切れないレースが続いている。データを覆す走りを期待したい。

 個人的には、ヘニーヒューズ直子のアーデルリーベが、オールダートで前半3ハロン34秒3の快速ぶりを見せて逃げ切った未勝利戦を高く評価して◎とした。

 JBC2歳優駿は、重賞2勝を含む4戦4勝のリコースパロー(牡2歳、北海道・川島洋厩舎)と、その2着が続くソルジャーフィルド(牡2歳、北海道・川島洋厩舎)がJRA勢を迎え撃つ。北海道の中距離戦はスローペースが目立ち、JRA勢が優位に感じるものの、短距離戦で勝ち上がっている2頭は十分に勝ち負けを意識できる。特に、リコースパローは、前哨戦のサンライズカップで控える競馬を試み、一発回答を出した内容と、2走前から追い切りの動きが変わってきたことから、JRA勢を打ち破ることを期待している。(競馬ライター)