2025年から再びJ1に参戦することが決まった清水エスパルス。2015年に初めてJ2に落ちてからこれで2度目の最高峰リ…
2025年から再びJ1に参戦することが決まった清水エスパルス。2015年に初めてJ2に落ちてからこれで2度目の最高峰リーグ復帰となるが、今度こそは恒常的にJ1上位争いのできるチームにならなければいけない。それは清水の関係者のみならず、Jリーグを取り巻く全ての人々が感じていることだろう。
2023年のクラブ経営状況を見ても分かる通り、清水の売上高は51億円で、J1を含めても9番目。トップチーム人件費の22億円というのも、今季J1優勝争いを繰り広げているサンフレッチェ広島とほとんど変わらない。今季は町田ゼルビアやVファーレン長崎が巨額の資金を投じていると言われるが、清水の運営規模というのはトップ10に入ると考えていい。そういうクラブだからこそ、エレベーター状態を続けていてはいけないのだ。
5月に就任した反町康治監GMが「今季のトップチームがやっていることは間違っていない」と語っているのを見れば、秋葉忠宏監督の続投は確実。そのうえで、現有戦力を見極めつつ、足りない部分を補強して、さらなるレベルアップと完成度向上を図っていくことが肝要だ。
■求められる失点数の改善
そこで攻守両面を見ていくと、守備陣はもう少し失点数を減らす必要があるのではないか。今季はGK権田修一、DF高橋祐治、住吉、原輝綺らのJ1経験者を軸に乗り切ってきたが、もう少し選手層を厚くすることが重要だ。
現在はカルリーニョス・ジュニオ、ルーカス・ブラガ、ドウグラス・タンキ、アブドゥル・アジズ・ヤクブという4人の外国人FWがいるが、彼らの全員が助っ人として十分な結果を残していないことを踏まえると、誰かを削ってその分、DFの補強を考えることもできるだろう。
今季の広島や町田を見ても分かる通り、J1で上位争いをしているチームはとにかく守備が硬い。それは躍進の絶対条件だ。そこは反町GM、内藤直樹強化部長を中心に最善策を模索していくはずだ。
中盤から前に関しては、北川航也や乾貴士、ボランチの宮本航汰、中村亮太朗らは今後も軸を担うだろう。宇野禅斗も完全移籍、もしくはレンタル延長で残留する可能性が大。そこにどういう選手を加えるかを熟考していくべきである。
■北川航也に続く得点力
1つ言えるのは、来年、37歳になる乾頼みの戦い方は難しくなるということ。今季台頭した中堅世代はもちろんのこと、西原源樹や郡司璃来のような若手の成長も不可欠だ。
清水の場合はポテンシャルのある10代選手が出てきても、その後伸び悩む例が少なくない。外国人選手や日本人の実績ある選手の壁に阻まれ、出場機会を得られないのがその要因だが、かつての岡崎慎司(バサラマインツ監督)のように泥臭く這い上がっていく人材がもっともっと出てきてもいいはずだ。
今季は北川が2ケタゴールを奪ってチームをリードしたが、それに続く人材が少なかった。8ゴールのルーカス・ブラガ、5ゴールのカルリーニョス・ジュニオら外国人FW含めて、得点力のある選手がさらに何人か出てこないと、厳しいJ1を勝ち抜くことはできない。
清水の場合、資金力がある分、「足りなければ外から連れてくればいい」という考え方になりがちだが、既存戦力を有効活用し、彼らを伸ばしながら強くなっていく形を取れれば理想的だ。
いずれにせよ、過去10年間のような苦しい状況を払拭し、毎年のように上位争いに参戦する清水を見たいと願うファンも少なくない。そういった成長曲線を描けるように、強化部と現場がしっかりとビジョンを共有し、一体感を持って前進することが肝要だ。
(取材・文/元川悦子)