■田中優飛がリーグ戦初先発初勝利、小林隼翔は2ラン含む3安打 立大は27日、東京六大学野球秋季リーグの東大2回戦に13-5で大勝。2連勝で今季2つ目の勝ち点を獲得した。チームは今季全日程を終え4位が確定。昨夏の甲子園を沸かせた1年生の田中優…
■田中優飛がリーグ戦初先発初勝利、小林隼翔は2ラン含む3安打
立大は27日、東京六大学野球秋季リーグの東大2回戦に13-5で大勝。2連勝で今季2つ目の勝ち点を獲得した。チームは今季全日程を終え4位が確定。昨夏の甲子園を沸かせた1年生の田中優飛(ゆうと)投手、小林隼翔(はやか)内野手らが活躍し、来年以降、2017年春以来のリーグ優勝を狙う上で光明が差した。
この日は1年生左腕の田中優が、リーグ戦初先発。立ち上がりから東大打線に付け入る隙を与えず、5イニングを1安打無失点に抑え切った。許した走者は、初回に左前打を放った中山太陽外野手(3年)1人だけで、その中山も直後に牽制球で刺しており、結局5回を打者15人で終え、初白星を手にした。木村泰雄監督は「これまで中継ぎで非常にいいピッチングをしていたので、どこかで先発させたいと思っていました。期待通り、来年の春につながる投球だったと思います」と相好を崩した。
田中優は宮城・仙台育英高の一員として、昨年春の選抜大会8強、夏の甲子園では準優勝に貢献した。チームメートは昨年のドラフト3位で阪神に入団した山田脩也内野手の他にも、高橋煌稀投手(早大)、湯田統真投手(明大)、仁田陽翔投手(立正大)がズラリと並ぶ豪華な顔ぶれで、競争が激しかった。同級生投手4人の中では、大学進学後のリーグ戦先発で“一番乗り”を果たし、「どこに行っても、あの3人とは比べられると思う。そこは負けたくないです」と力を込めた。
最速149キロのストレート、スライダー、フォークが投球の軸。「東京六大学の投手が目指す場所と言えば、1回戦の先発です。来年は狙っていきたいと思います。冬の間に球速をあと5キロ上げたいです」と今から意欲をたぎらせている。
一方、「3番・遊撃」でスタメン出場し、7回に今季3号2ランを左翼席へ放り込むなど、6打数3安打3打点と気を吐いた小林隼も、田中優と同じ1年生だ。こちらは広島・広陵高時代に甲子園出場3回の実績を誇る。早くもショートのレギュラーに定着し、今季は打率.259(58打数15安打)、3本塁打5打点。開幕から今月5日の早大1回戦までの8試合で、打率.355(31打数11安打)の猛打を振るった後、相手にマークされ、5試合連続無安打の不振に陥っていたが、やられっ放しでは終わらなかったところが頼もしい。
“新芽”がぐんと伸びた今季の立大。今春リーグ戦の6勝8敗(勝率.429)「勝ち点1」から、7勝7敗(同.500)「勝ち点2」に一歩前進した。チーム本塁打はリーグワーストの「2」から、リーグトップの「13」(27日現在)に激増し、攻撃力アップが著しい。木村監督は「夏場に筋肉量を増やすトレーニングを行い、もっと打球を飛ばそうという意図で練習を重ねました。その成果だと思いますが、これほどの結果が出るということは、もともと能力はあったのでしょうね」と目を細める。
立大の最後のリーグ戦優勝は2017年春。優勝したことのない東大以外では、天皇杯から最も長く遠ざかっている。主将の田中祥都内野手(4年)は「僕たちがやってきたことを来年、再来年と繋げていければ、リーグ優勝も必ず見えてくると思います」と思いを後輩に託した。浮上の兆しは見えている。
(宮脇 広久)