オールブラックスの(左から)アントン・レイナートブラウン、ビリー・プロクター、ティージェー・ペレナラ photo by Noto Sunao(a presto)オールブラックス インタビュー後編 「ハカ」の精神性と憧れをリーダー&チームメイ…
オールブラックスの(左から)アントン・レイナートブラウン、ビリー・プロクター、ティージェー・ペレナラ
photo by Noto Sunao(a presto)
オールブラックス インタビュー後編
「ハカ」の精神性と憧れをリーダー&チームメイトが語る 次のリーダーに推す選手とは
10月26日(土)に神奈川・日産スタジアムで開催される「リポビタンDチャレンジカップ2024」でラグビー日本代表と対戦するオールブラックスことニュージーランド代表。そのメンバー3選手、試合前に踊る「ハカ」のリーダーで87キャップを誇るSHティージェー・ペレナラ、突破力に長けたCTBアントン・レイナートブラウン、7月に初キャップを獲得したCTBビリー・プロクターに、エディー・ジョーンズHCが就任した日本代表のラグビーの印象などについて話を聞いた。
【日本での楽しみ】
――3人とも、オールブラックスやクラブチームで来日経験がありますが、今回、オールブラックスの一員として日本に来て、すでにやってみたことや楽しみにしていたことがあれば教えてください。
レイナートブラウン やっぱり僕は日本に来たら最初にいつもとんこつラーメンを食べたくなります。もう食べたけどね!
プロクター 僕は日本のファッションに興味があって、買い物がしたいなって思っていて、少し散歩がてら見て回りました。もちろん、ラーメンも食べたけど(笑)。
ペレナラ 以前、NTTドコモ(現レッドハリケーンズ大阪)でプレーしていたときは、あえて肉を一切食べませんでした。今回はお肉を食べているんだけど、最高でした。ラーメンもそうだけど、コンビニのたまごサンドウィッチやチキンも食べました。すごく美味しかったです。
――ほかにもご自身が体験した日本の文化、食べ物などでお勧めするものはありますか。
レイナートブラウン 食事に関してなら、ネットで検索して出てくるようなチェーン店ではなく、街中を散歩して路地を少し入ったところに行けば、本格的な日本食のレストランを見つけられると思います。居酒屋もお勧めかな。
プロクター ラグビー選手は肉が好きな人が多いので、焼肉をお勧めします。ニュージーランドではあまり一般的な食べ方ではないから、日本に来たら食べたほうがいいですね。
ペレナラ 僕はコーヒーが好きだから、カフェかな。東京にはニュージーランドにはない感じのカフェがたくさんあるので、美味しいコーヒーが飲める場所を探索するのがいつも楽しみです。
来日を楽しみにしていたレイナートブラウン
photo by Noto Sunao(a presto)
【日本にマッチする超速ラグビー】
――そんななか、いよいよ10月26日に日本代表とのテストマッチを迎えます。エディー・ジョーンズHCが率いる今の日本代表や「超速ラグビー」についてどんな印象を持っていますか。
ペレナラ 僕はスーパーラグビー(ハリケーンズ)で日本のチーム(サンウルブズ)と対戦したこともあるし、NTTドコモでプレーしたこともあります。だけど、日本代表とテストマッチで対戦するのは、キャリアで初めてだからすごくワクワクしています。自分の国を代表して日本代表と対戦するのは本当に光栄なことだし、僕は日本のラグビーも文化も本当にリスペクトしています。
エディー(・ジョーンズHC)がやっているラグビーは日本国内のリーグでやっているスタイルやゲームプランに合っているんじゃないかと思います。日本代表がボールを速く動かして展開してきたら、相当な脅威になると思う。だから僕らとしてはボールを素早く出させないことが必要だし、すぐに対応してディフェンスしていくことが重要になってきます。
プロクター もちろん僕も本当に興奮しています。日本代表はスキルも高いし、ゲームプランは本当にマッチしているし、ファンにとってもエキサイティングじゃないかと思います。アタックでボールをたくさん動かして展開させてくるから、オールブラックスとしてはそれをさせないようにしないといけない。日本代表にプレッシャーをかけられないようにしっかりと対策していかないといけないと思っています。
レイナートブラウン ジョーンズHCも日本代表もリスペクトしています。国際舞台で日本代表のレベルの高さはすでに証明されていますし、彼らがベストの状態で臨んだら僕たちにとっては非常に難しい試合になります。だから、もちろん僕らも今週末の試合に向けてベストの準備をしているところです。
――ラグビー日本代表で対戦してみたい選手や警戒している選手はいますか。
プロクター 僕はWTBのマロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)ですね。彼とは友達だし、ウェリントンの元チームメイトで、遠征でルームメイトだったときもあります。お互いに切磋琢磨した仲だし、彼が日本で大きく飛躍して、活躍している姿を見て本当にうれしいです。だからぜひ対戦したいし、そして試合が終わったら話したいと思っています。
ペレナラ ドコモ時代に一緒にプレーして、今は浦安D-Rocksにいる(CTBサミソニ・)トゥアと対戦できるかと思っていたけど、(ケガで)日本代表に入っていなくて非常に残念。でも、彼が日本代表になってテストマッチで戦える選手になったことがすごくうれしいし、今後、彼が日本代表としてプレーしていくのを楽しみにしています。
レイナートブラウン チーフスで一緒にプレーしたFLリーチ マイケル(ブレイブルーパス東芝)が今回、日本代表にいないのは残念だけど、同じポジションのCTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)はすばらしい選手だと思っています。クオリティの高い選手とプレーするのはいつも本当に楽しみです。でも試合後にリーチに会いたいな(笑)。
日本戦での活躍が期待されるプロクター
photo by Noto Sunao(a presto)
【日本のファンには感謝】
――ところで、日本のオールブラックスファンには、なんて呼んで応援してほしいですか。
レイナートブラウン 僕はレイナートブラウンの頭文字の「LB」で!
プロクター 僕はシンプルに「ビリー」と呼んでほしいかな。
ペレナラ わかんないなあ。みんなから「ティージェー」って言われるけど、ミュージシャンみたいでしょ(笑)。でもやっぱり「ティージェー」かな。
――最後に、日本のオールブラックスファンへのメッセージをお願いします。
プロクター みなさんの応援には感謝しかないです。試合だけじゃなくて、いろんなところで僕らを暖かく出迎えてくれています。昨年も日本で試合をして、日本にこんなにも多くのオールブラックスファンがいるんだとわかったので、またみなさんに会えてハッピーだし誇りに思ってもらえるようなパフォーマンスを見せたいです。
ペレナラ 僕もこれまで日本のファンからいただいたサポートに本当に感謝しています。26日土曜日にみなさんの前でプレーすることを楽しみにしています。オールブラックスらしい誇らしいラグビーを見せることができたらと思っています。
レイナートブラウン ふたりと同じで、日本のファンの応援はすばらしく、本当に感謝しています。だからこそ、その気持ちを試合で見せることができたらと思っているし、日本代表も同じだと思う。だから、きっとワクワクするような試合になるから楽しみにしていてほしいです。
【Profile】
ティージェー・ペレナラ
TJ Perenara
184cm/90kg。1992年1月23日生まれ。リコーブラックラムズ東京所属。「ハカ」のリーダーで87キャップを誇るスクラムハーフ。
アントン・レイナートブラウン
Anton Lienert-Brown
185cm/96kg。1995年4月15日生まれ。チーフス(ニュージーランド)所属。突破力に長けたCTB 。79キャップを誇る。
ビリー・プロクター
Billy Proctor
187cm/96kg。1999年5月14日生まれ、1キャップ。ハリケーンズ(ニュージーランド)所属。2024年7月に初キャップを獲得したばかりのCTB