「ジャパンウイメンズオープン」(WTAインターナショナル/東京・有明テニスの森公園テニスコート/本戦9月11~17日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月11日、シングルス本戦6試合とダブルス本戦2試合およびシングルス予選4試合が行われ…

「ジャパンウイメンズオープン」(WTAインターナショナル/東京・有明テニスの森公園テニスコート/本戦9月11~17日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月11日、シングルス本戦6試合とダブルス本戦2試合およびシングルス予選4試合が行われ、本戦1回戦に挑んだ江口実沙(橋本総業ホールディングス)はハン・シンユン(中国)に5-7 2-6で敗れ、2回戦進出はならなかった。◇   ◇   ◇

 昨年9月に負った左ヒザ靱帯断裂から復帰し、全米オープンでグランドスラム本戦初出場を果たした江口は、全米オープンと同様に今大会もスペシャル・ランキング(ケガなどで長期休養を余儀なくされた選手への救済措置)を利用しての出場。1回戦、世界ランク136位のハンに対してストレートで敗れたが、「全米オープンのときと比べても、動きがよくなっている」と復帰過程として手応えを得た内容に、表情も明るかった。

 復帰後初の日本での大会に、「出だしは緊張して、思うようにボールが飛ばなかった」という江口は、第1セットでいきなり0-4とハンにリードを許す。しかし、「戦術というより、相手を走らせて、その分、自分もたくさん動いて、できるだけラリーをしていこう」と試合前からのイメージを実践できたセット中盤から盛り返し、互角のラリーを展開していく。

 イメージ通りの「コートを走り回っての長いラリー」で徐々に追い込み、相手のミスを引き出した。

 5-5からの勝負どころのポイントをものにすることができず、第2セットも0-3と第1セットと同様の展開になってしまったのは江口自身も悔やんだところだったが、「試合ではまだなかなか思うようにいかないところが多かったが、また、このレベルでプレーしたいというモチベーションになった」と明るく前を向いた。

 現在、一番の目標は「ケガをする前と同じように動けるようになること」だという江口。自身のフィジカルについて「7割」と分析するが、全仏オープン予選時にがっちりと左膝を覆っていたサポーターも、今はない。

「相手の打球に対するリアクションがまだ遅いし、そこでいいポジションに入れない。まだカウンターを食らったときに、怖くて切り返せない。そういうところが物足りない」

 今の自分が"できないこと"をもどかしげにいくつも口にしたが、それは万全な状態になったときの自分自身への期待の大きさの証でもあるだろう。◇   ◇   ◇

 ダブルス1回戦では、第1シードの二宮真琴(橋本総業ホールディングス)/レナタ・ボラコバ(チェコ)が、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したシュアン・シージュン(台湾)/土居美咲(ミキハウス)をマッチタイブレークの末に破って2回戦進出。ウィンブルドンでベスト4入りしている二宮/ボラコバだが、ダブルスでツアー22勝とダブルスの実績があるシュアンと、2年前には奈良くるみ(安藤証券)とペアを組んでこの大会で準優勝している土居という1回戦の対戦相手としては強力ペアに苦戦しながら、1-6 7-6(4) [11-9]と逆転勝ちを果たした。

 また、シングルス予選では加藤未唯(佐川印刷)が予選決勝を制して本戦入り。9月12日に行われる本戦1回戦では、日比野菜緒(LuLuLun)と対戦する。(テニスマガジン/ ライター◎田辺由紀子)

※写真は「ジャパンウイメンズオープン」(東京・有明テニスの森)のシングルス1回戦で敗れ、コートをあとにする江口実沙

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