今週は東京競馬場で天皇賞・秋(芝2000m)が行われる。エアグルーヴやヘヴンリーロマンスといった牝馬の活躍が目立つレース…

今週は東京競馬場で天皇賞・秋(芝2000m)が行われる。エアグルーヴやヘヴンリーロマンスといった牝馬の活躍が目立つレースに今年はリバティアイランドが挑む。

ここでは、過去10年データからリバティアイランドとべラジオオペラにフォーカスしたデータを取り上げる。

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■三冠牝馬リバティアイランドに“馬券内率83%”

昨年は牝馬三冠制覇。リバティアイランドが久々に国内のターフに姿を現す。ウオッカやブエナビスタ、アーモンドアイなど数多の名牝が制してきた秋の盾。3月以来となる実戦、7枠12番への懸念もあるなか、下された“買いデータ”とは?

・芝1600mのGI勝ちがある牝馬【2.1.2.1】

該当馬6頭中5頭が馬券内の“83%”データに該当。前述のアーモンドアイのみならず、アエロリットや距離不安のあったグランアレグリアもきっちり馬券内を確保した。“鉄板級”の言葉が大げさではないだろう。

リバティアイランドについて補足すると、オークスのラップがあまりにも異常。6馬身差圧勝の当時、後半1000mのラップを分解すると【12秒0-12秒0-12秒0-11秒6-11秒5】。後半にかけて加速ラップを刻んでいたが、これは“あり得ない”と言い切れるパフォーマンスだ。スペシャルウィーク、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ……東京芝2400mで圧勝歴がある馬も加速ラップには至っていなかったのだから。

三冠牝馬が迎える秋初戦。胸のすくようなパフォーマンスに期待したい。

■べラジオオペラに“0%データ”の壁出現

その一方で“0%データ”に立ち向かうのが同じ4歳馬のべラジオオペラだ。3歳春からクラシック戦線に挑んだ馬だが、今年そのポテンシャルが開花。大阪杯で初GI制覇、宝塚記念3着と一線級のメンバー相手でも大崩れなく走っている。東京での勝利実績もある馬に降りかかるマイナスデータとは?

・大阪杯勝ち馬かつ大阪杯以外のGI未勝利【0.0.0.4】

4頭すべてが馬券外の“0%データ”に合致。このなかにはスワーヴリチャードやジャックドール、ポタジェと東京芝勝ち馬がいたにもかかわらず、蛇に睨まれた蛙のようにパフォーマンスを発揮しきれていないのだ。大阪杯勝ち馬の本馬にとって厳しいデータだ。

この中間は酷暑の影響から調整遅れの声も伝えられているべラジオオペラ。GI馬に敬意を表したい気持ちもあるが、1着賞金2億円超のレースを完調手前で好走したらそれこそ怪物級だろう。下半期でもっとも特性が活きる舞台は香港カップもしくは枠順次第で有馬記念。小回りコースで買える馬だと思う。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。