スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月1~8日/賞金総額571万9660ユーロ/クレーコート)に出場中の錦織圭(日清食品)は、試合のなかった2日、アンディ・マレー(イギリス)、ガエル…

 スペイン・マドリッドで開催されている「ムトゥア マドリッド・オープン」(ATP1000/5月1~8日/賞金総額571万9660ユーロ/クレーコート)に出場中の錦織圭(日清食品)は、試合のなかった2日、アンディ・マレー(イギリス)、ガエル・モンフィス(フランス)らと1時間ずつの練習を行った。前日には、3回戦で当たる可能性のあるリシャール・ガスケ(フランス)と、ほとんど真剣勝負のマッチ練習を行った錦織。

 マレーも、1日にはノバク・ジョコビッチ(セルビア)と練習しており、練習後の特別記者会見では、ラファエル・ナダル(スペイン)と練習するため、マヨルカ島まで行ったことについて言述していた。

 マドリッドで見られるトップ選手同士のマッチ練習には、多くの観客が詰めかける。初戦を待つマレーが、特にトップ選手との練習について、興味深い話を聞かせてくれた。

   ◇   ◇   ◇ ――マヨルカでラファ(ナダル)とプレーしようと決めたのは、どういういきさつからですか?

 「とてもよかったよ。数日は(ミロシュ・)ラオニッチ(カナダ)と練習し、それから数日はラファと練習した。初日はコーチと練習しただけだったけどね。 もともとは、昨年同様、バルセロナで練習する予定だったんだ。でもそれからその話が持ち上がり、言うまでもなく僕にとって最良の練習は、マヨルカに行ってトップ10の2人と練習することだった。なによりラファは、クレーでは最強のひとり――おそらく史上最高のクレーコート・プレーヤーだ。それは僕にできる最良の、クレーシーズンのための準備だった。だから行くことに決めたんだ。とても実り豊かだったよ」 ――ラファは昨年、非常に苦しみ、クレーでの成績もよくなかったですが、かつてのように、すでに2大会に勝った今季の調子についてどう思いますか?

 「彼はモンテカルロで非常にいい勝利の数々を挙げた。(ドミニク・)ティーム(オーストリア)はすごくいいプレーをしていたが、ラファは彼と、スタン(・ワウリンカ)、そして僕を倒した。対モンフィスの決勝も少し見たが、とてもいいプレーをしていたよ。 バルセロナに関しては、圭に対する決勝しか見なかったが、そこでもかなりいいテニスをしていた。彼は明らかに自分のテニスに関し、いい感触を覚えているようだ。彼の調子がいいと、君たちメディアにとって、ことはより面白いんじゃないかな」 ――昨年、クレーでいい成績を挙げたわけですが、今年はどういう姿勢で臨みますか? この時期にピークを持ってくるというのは、これまであなたの優先事項ではなかったように思いますが。

 「そうだね。昨年の成績ゆえに、クレー・シーズンへの期待は例年とは違ったものになった。もちろん勝つことは重要であり、昨年クレーで勝てたのはいいことだが、僕にとってよりうれしいのはプレー内容だった。僕はクレー上ですごくいいプレーをしていた。 モンテカルロでのラオニッチに対する試合、そしてラファに対する試合でもその大部分で、僕はいいプレーをしていたと思う。そのことが僕に自分を信じる気持ちを与え、僕は以前にやっていたより、いいプレーをすることを期待するようになった。このレベルをキープできない理由はどこにもない。フレンチでクライマックスを迎えるため、頑張ってみるつもりだよ」 ――今日の練習では、ノバクに対し自信に満ちていましたが、彼をちょっと脅かしたかったのですか? それと単に自信があっただけ?

 「まさか。ノバクは、今日の練習ですごくいいプレーをしていたよ。彼と練習する理由は、彼を脅かすためなんかじゃない。でも大会のために準備をしている選手は皆、大会が始まるや、いいプレーができるようにするため、全力を尽くすものなんじゃないかな。 世界最高峰の選手と練習するというのは、僕にとって素晴らしい準備だ。トップ選手たちと、とてもよい練習をすることができた。これはすごく重要だ。国に帰ったらできないことだから、トップ選手の出る大会に来たときには、その機会を最大限に利用するようにしているんだよ」 ――ナダルやジョコビッチのような選手と練習するのと、母国で高名でない選手と練習するのとでは、どこがどう違うのですか?

 「間違いなくインテンシティ――つまり激しさという面で違う。練習全体が自分の好きにできるものではないからね。 もし、自分よりも実力的にずっと下の選手と練習していたら、ほとんどのポイントで僕が手綱を握っていることになる。ノバクやラファと練習しているときには、うまくやってのけられないことも、やってのけられることになるだろう。だからトップ選手と練習すると、自分が矯正したり、上達させたりしなければならない部分が、よりはっきりわかるんだ。 あまり強くない選手は、世界最高峰の選手たちほど、こちらの弱点につけ込んでくることができないからね。だからこそトップ選手との練習は、素晴らしいんだよ」 (テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)