打力は球界屈指のレベルにあるアダメス。(C)Getty Images  ポストシーズンの戦いが激化する中、米球界では、すでにオフを迎えた球団を中心に来季を見据えた補強の動きも活発化。とりわけFAイヤーとなる選手たちの動…

 

打力は球界屈指のレベルにあるアダメス。(C)Getty Images

 

 ポストシーズンの戦いが激化する中、米球界では、すでにオフを迎えた球団を中心に来季を見据えた補強の動きも活発化。とりわけFAイヤーとなる選手たちの動静は小さくない話題を振り撒いている。

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 今オフも移籍市場の“主役”となりそうなのはドジャースだ。昨オフに大谷翔平とのスポーツ界史上最高額とも言われる10年7億ドル(約1015億円=当時のレート)の契約を筆頭に、推定総額14億ドル(約2058億円)という天文学的な規模の大型補強を展開した銀河系軍団には、さまざまな噂が飛び交っている。

 現時点で獲得が囁かれているのが、今オフのFA市場の人気銘柄で、争奪戦も予想されるウィリー・アダメス(ブリュワーズ)だ。今季は打率こそ.251ながら、32本塁打、112打点、OPS.794の上々の成績をマーク。打線の中軸を任せられる強打の遊撃手だ。

 今季のドジャースは春先にムーキー・ベッツを遊撃手にコンバート。新機軸を打ち出し、選手層の厚みを出そうと試みたが、頼みのベッツが6月中旬に左手を骨折して離脱。以降は35歳のミゲル・ロハスを軸になんとかやりくりしてきた。

 そうした意味でも打力に定評のあるアダメスの獲得は理にはかなっている。米誌『Sports Illustrated』も今冬のFA市場を占う記事内で「今夏にトレードでアダメスを狙ったドジャースは一線級のショートストッパーが欠けている」と指摘。「両者の適正具合は明らかであり、オオタニの後払い契約による影響を考えても資金面は問題にならない」とした。

 もっとも、遊撃手がドジャースの最優先の補強ポイントなのかは疑問だ。このポストシーズンでも防御率4.06と精彩を欠く投手陣のテコ入れこそ「急務」とする声は小さくない。

 たしかに山本由伸やタイラー・グラスノー、ウォーカー・ビューラー、クレイトン・カーショウ、トニー・ゴンソリンなどタレントが揃ってはいる。だが、彼らはいずれも故障がち。フルシーズンを戦い抜くことを計算に入れると、やや心もとない。現在開催中のポストシーズンで熱投を続けるジャック・フラハティがFAになることを考慮すると、先発投手陣の頭数を増やす必要はあるように思う。

 さらにアダメスは遊撃手の守備面で不安材料を抱えている。守備率こそ.963ながら、同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べ、どれだけの失点を防いだかを表す指標「UZR」は「-8.4」を記録。先述の図抜けた打力があるとはいえ、やや看過できない値なのだ。

 そんな難のある守備面に目をつむってでも、アダメスを入れて打力強化に奔走するのか。それとも投手陣の立て直しに全力を費やすのか。ポストシーズン終了後とともにドジャースの狙いはより具体的になっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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