「真ん中を狙ってって言われていたので。ファーストポストを越すボールを狙っていただけです。(谷口)彰悟くんと(小川)航基が…
「真ん中を狙ってって言われていたので。ファーストポストを越すボールを狙っていただけです。(谷口)彰悟くんと(小川)航基が良い入りをしていたので、どっちに合っても入っていたかなと思います」
後半36分に、CKから2点目をアシストしたシーンについて、伊東純也はそのように振り返った。結果的にフリーで合わせてゴールを決めたのはFWの小川だ。相手が一人傷んでピッチ外に出ていた好機を生かした形だ。
サウジアラビアに大きなダメージを与えることとなり、まだ10分残していたにも関わらず、ジェッダのキング・アブドゥラー・スタジアムに詰めかけた観客の多くが席を立ち出した。まさしく”完全アウェー”を打ち破るゴールとなった。
アジアカップ以来の復帰となった9月の2試合に続き、途中投入から右ウイングバックで効果的な働きしながら、しっかりと目に見える結果も残した伊東の存在感は絶大だ。縦に切り裂く高速ドリブルはもちろん、この日、日本に良い流れを引き寄せたのは精力的なデュフェンスだった。サウジアラビアに対して、3バックと4バックの両方を想定していたという日本は立ち上がりを制して、前半14分に流れの中から見事な先制ゴールを奪った。しかし、そこから徐々にサウジアラビアにペースを握られると、自陣で跳ね返すシーンも多くなる。
■「とりあえず前に入ってプレッシャーに行こう」
右ウイングバックでスタメン起用された堂安律も、左ウイングのサレム・アルドサリの対応に追われてポジションが低くなり、左の三笘薫と合わせて5バックで構える時間が長くなっていた。前半の終わり頃からウォーミングアップエリアで体を動かしていた伊東はハーフタイムにも入念な準備をして、後半スタートから投入された。
「特に守備の指示はなかったです。とりあえず前に入ってプレッシャーに行こうと。(前半から)自分だったら、もうちょい寄せてというのは思ってましたし、多分、そこは前半で(堂安)律とか(板倉)滉とか(南野)拓実も思ってて。後半俺が入ったら、なるべく張ってるやつに対応できるようにという感じで行こうと思ってました」
伊東がサレム・アルドサリに厳しくチェックすることで、サウジアラビアは同サイドに明確な起点をなかなか作れなくなった。「前を向かせて仕掛けられることも後半はゼロだったので、いいプレッシャーかけられたかなと思います」と伊東。ロベルト・マンチーニ監督は後半16分に選手交代を行い、同時にシステムを4ー3ー3から3ー5ー2に変更。サレム・アルドサリを左のシャドーに入れて、左井インサイドハーフだったナセル・アルドサリを左外に張らせる。伊東は周囲の選手とうまくアジャストしながら、ナセル・アルドサリにプレッシャーをかけた。
(取材・文/河治良幸)