ナダルが現役引退を発表「終止符を打つには適切なタイミング」 稀代のレフティー、“赤土の王者”がコートを去る心を決めた。元世界ランク1位でグランドスラム通算22勝のラファエル・ナダル(スペイン)が10…
ナダルが現役引退を発表「終止符を打つには適切なタイミング」
稀代のレフティー、“赤土の王者”がコートを去る心を決めた。元世界ランク1位でグランドスラム通算22勝のラファエル・ナダル(スペイン)が10月10日、自身のSNSを通じて引退を発表。最後の大会は、11月19日に開幕する男子国別対抗戦「デビスカップ ファイナルズ」(スペイン・マラガ)となった。
【動画】ナダルの強靭な肉体と精神から放たれたスーパーショット集
SNSを通じてナダルは、「現役を引退することをお知らせします。この2年間は特に満足にプレーできたわけではない。でも、人生には始まりと終わりがあり、長く、想像以上の成功を収めてきたキャリアに終止符を打つには、適切なタイミングだと思う」とコメント。
「経験したことすべてが夢のようだった。ベストを尽くし、あらゆる面で努力したという絶対的な安心感と共に去ることができる。すべての人に感謝の意を表したい」と、24年間のキャリアを全力でやり尽くしたと語った。
最後の大会となるのは、11月に母国スペイン・マラガで行われる男子国別対抗戦「デビスカップ ファイナルズ」。
「最後の大会がデビスカップ・ファイナルズで、しかも母国を代表するなんてとても興奮している。2004年のセビリアでのデビスカップ決勝は僕のテニスプレーヤーとしての最初の大きな喜びの一つだった」と、思い出の大会でコートを去るとしている。
2001年のプロ転向から24年間のキャリアで、ツアー通算92勝(うちグランドスラム優勝回数は22度と歴代2位)を挙げた38歳のナダルは、クレーコートでの戦いに無類の強さを発揮。マッチ勝率は9割を超え、全仏オープンは史上最多となる14度制覇し、他のクレーコート大会を合わせて63度のタイトルを手にしている。
強靭な肉体から放たれる力みなぎるショットや闘争心をむき出しにコートを駆ける姿で多くのテニスファンを魅了。2005年4月25日から2023年3月19日まで18年近くトップ10を維持し、キャリア通算1080勝はジミー・コナーズ(1274勝)、ロジャー・フェデラー(1251勝)、ノバク・ジョコビッチ(1122勝)に次ぐ歴代4位。2008年の北京五輪ではシングルスで、2016年のリオデジャネイロ五輪ではダブルスで金メダルを獲得し、生涯ゴールデンスラムを達成している。
現役時の40度の対戦のうち半数以上がビッグタイトルでの決勝というライバルであり、そして一昨年のレーバーカップでは自身の引退時に共に涙を流すほどの友人でもあるロジャー・フェデラー(スイス)は「ラファ、素晴らしいキャリアだったね! この日が来ないことをいつも願っていた。僕らが愛するテニスで忘れられない思い出と素晴らしい功績を残してくれてありがとう。本当に誇りに思う」とメッセージを残した。
BIG4のうち現役を続けている唯一の選手で、今年のパリ五輪では60度目の対戦を迎えたノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、「あなたは何百万人もの子供たちにテニスを始めるきっかけを作った。それは、何よりも最大の功績だろう。あなたの粘り強さ、献身性、闘争心は今後何十年にわたって伝えられていくでしょう」とナダルがテニス界に与えた影響に言及。
また、「何度も僕を限界まで追い込んでくれたことに感謝しているし、それが選手として最も大きな影響を与えてくれた。デビスカップで最高の別れになることを願っている。輝かしいキャリアに敬意を表して、直接現地に行くよ」と最大のライバルに感謝した。