今週は、3歳牝馬3冠の最終戦、第29回秋華賞(GI、芝2000m)が京都競馬場で行われる。今年は、桜花賞馬ステレンボッシュ、オークス馬チェルヴィニアが牝馬二冠を懸けて参戦。一方、トライアルのローズSを制したクイーンズウォーク、同3着のセキト…
今週は、3歳牝馬3冠の最終戦、第29回秋華賞(GI、芝2000m)が京都競馬場で行われる。
今年は、桜花賞馬ステレンボッシュ、オークス馬チェルヴィニアが牝馬二冠を懸けて参戦。一方、トライアルのローズSを制したクイーンズウォーク、同3着のセキトバイーストや、紫苑Sの1、2着馬クリスマスパレードとミアネーロ、古馬相手のクイーンSを制したコガネノソラなどが待ったをかける構図。近2年は1~3番人気が3着以内を独占する固い決着が続いているが、果たして今年は……。
そんな中、重賞2勝のクイーンズウォークが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■ローズS勝利馬で秋華賞を勝てない川田J
クイーンズウォークは春のクイーンCで強烈な決め手を繰り出して勝利し、クラシック戦線でも大いに期待された。しかし、桜花賞では8着と大敗しオークスでも4着に敗れ、GI獲得とはならなかった。夏を越し、前走のローズSでは、GI馬レガレイラらを退け復権を誇示。改めてGI獲りに名乗りを上げ、秋華賞では2頭のGI馬撃破を狙っている。
しかし、トライアルとして定着しているローズS組は、近年本番との相性は良くない。過去10年で【1.4.6.48】と、オークスからの直行【5.1.2.16】や紫苑S組【3.4.0.26】と比べ、物足りない成績だ。
それでも複勝率は18.6%を記録しているが、3着以内に入った11頭のうち、5頭は桜花賞、オークスいずれかで連対を果たしていた馬、4頭はクラシック不出走の上がり馬。春のクラシックに出走し、かつ連対を果たしていない馬は【0.1.1.26】複勝率7.1%と、ローズSを制しても、秋華賞で人気を集めて敗れるケースのほうが多くなっている。
ちなみに、鞍上の川田騎手は、2008年マイネレーツェル、19年ダノンファンタジー、20年リアアメリア、22年アートハウスと、これまでにローズSを4勝しているが、いずれの馬も、本番の秋華賞では4着以下に敗れており、トライアルでの好結果を活かせていない。この点も気になる材料と言える。
また、クイーンズウォークは前走時522キロと、牝馬としてはかなりの大型馬であるが、過去10年の秋華賞で、500キロ以上の馬の成績は【0.1.0.14】と、馬券圏内を果たしたのはわずか1頭のみ。内回りが影響してか500キロを超す大型馬は苦戦傾向にある。
春のクラシックで両GI馬には2戦とも完敗しており、クイーンCの内容などからも、典型的なトライアルホースというイメージ。昨年はリバティアイランドという大物で秋華賞を制したが、4度もローズS勝利→秋華賞敗戦を繰り返している川田騎手の相性の悪さも気にかかる。妙味を考慮すると人気ほどの信頼感はないと考え、今回は思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。