メンフィス・グリズリーズの一員としてトレーニングキャンプに参加する河村勇輝が、早くもNBAで“個人賞”を獲得した。 グリズリ…
メンフィス・グリズリーズの一員としてトレーニングキャンプに参加する河村勇輝が、早くもNBAで“個人賞”を獲得した。
グリズリーズはシーズン開幕に向けて、本拠地『フェデックス・フォーラム』で公開練習を実施。その公開練習では大勢のファンが見守るなか、新人の参加が義務付けられている恒例のダンスイベントが開催された。
ダンスイベントにはキャム・スペンサー、ジェイレン・ウェルズ、そして新人王候補にも名前の上がるNCAA最優秀選手賞のザック・イディーらが次々とステージの中央に。そして、彼らがダンスを終えると、突如として会場で「Yuki! Yuki!」と河村を呼ぶコールが巻き起こった。
Bリーグで圧巻の成績を残した河村も、NBAやグリズリーズのファンにとっては新人に変わりない。身長172センチの小兵はジムでも献身的かつ印象的なプレーを披露しており、ルーク・ケナードらも河村の姿勢を高く評価。また、ジャ・モラントも河村について問われると、フルコートでディフェンスされることに言及しながら、日本の若武者について「He’s my guy」と仲の良さをアピールしており、チームメートの発言からもすでに球団に溶け込んでいる様子がうかがえている。
チームメートからのそそのかしと勇輝コールに後押しされて、河村はセンターサークルへ。そして、音楽にあわせて腰を使った軽快な動きと共に客席の四方へアピールをすると、河村はまさかのモラントを指差して中央に呼び寄せ、足をシャッフルさせるグリッディダンスで背番号12と即席でコラボレーションを披露し、会場を沸かせた。
エンタメ性、即興性、ダンス力の三拍子が評価されて、河村は見事ダンスコンテストで優勝。チームのジェイク・ララビアは「勇輝は今日、間違いなく注目を集めたと思うよ。彼は個性的な選手だね」と賛辞を送ると、グリズリーズのテイラー・ジェンキンスHCも「彼はエネルギーに溢れた選手です。弾けるような性格の持ち主なので、ファンの前でそれを披露できてよかったです」と喜びを露わにした。
河村はダンスコンテストのみならず、スキルチャレンジにも登場。こちらは惜しくも優勝とはならなかったが、持ち前のスピード、パススキル、アウトサイドショットで技術と正確性の高さをアピールしている。
英語での取材対応、渡邊雄太も通ったダンスの儀式など、NBAの文化に即座に対応する河村の姿は現地でも好印象であることは間違いなく、同選手のプロフェッショナリズムと用意の周到さを証明する機会となった。
この先の契約がどのようなものになるかは不透明だが、河村はすでにグリズリーズの一員として受け入れられている。
文=Meiji
【動画】地元メンフィスの記者がカメラに収めた河村勇輝の即席ダンス映像