第75回毎日王冠(6日/GII、東京芝1800m)には、宝塚記念5着、大阪杯2着の実力上位馬ローシャムパーク、3歳馬の意地を見せたいシックスペンス、昨年の勝ち馬エルトンバローズなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ダノンエアズロック」を取り上げる。
◆【毎日王冠2024予想/追い切り診断】シックスペンスを超える「S」の最高評価 余力たっぷりで「勝ち負け濃厚」の好仕上がり
■ダノンエアズロック
【中間調整】昨年秋に東京芝1800mの2歳リステッド・アイビーSでレガレイラらを下し快勝。その後ノドの状況などから12月のGIは見送り、4カ月半ぶりで臨んだ弥生賞は7着に終わっている。能力を考えれば案外も、レース後に骨折が判明したように全力を出したものではなかった。骨折自体は軽微で再起戦のプリンシパルSは大外13番枠の不利をまったく感じさせず、メリオーレム(のちに神戸新聞杯で1番人気5着)に1馬身以上の差をつけて勝利。あらためて世代上位の実力をアピールしてみせた。そこから中2週の日本ダービーはタイトな間隔ゆえイレ込んでしまい、本番前にレースが終わっていたので大敗(14着)も致し方なしだろう。
休養を挟んでアイビーSと同じ東京芝1800mの重賞で賞金加算を狙うことに。9月7日に帰厩し、12日のウッド併せ馬を皮切りに順調にメニューを消化している。再三の併せ馬で先着を果たしているようにさすがの脚力を誇示するも、行きっぷり、終いの伸びともに素軽さに欠けメンタル面でなにかしら引っ掛かっているようだ。1週前のウッド併せ馬でも好時計で先着を果たしたが、ラストは鞍上の手が動いており反応という点で物足りなさがあった。
【最終追い切り】レース当週はウッドで2頭を追走しインへ潜り込む形の3頭併せ。馬を前に置いた状態でやや力んでしまい、直線でのギアチェンジも一瞬モタついた。それでも脱落した1頭に先着、もう1頭のオープン馬ルコルセールと格好はつく動きはできてはいた。
【見解】脚捌きに問題はないし馬体もすっきりしておりいわゆるハード面の問題はなさそう。ただし1週前、最終追いと鞍上の扶助がないとギアがしっかり入らない走りでもあり、やはり気持ちの面でどうか。時計自体は出ているが、逆に言えばオーバーワークでは?の疑念も浮かんでくる。アイビーS、プリンシパルSともに馬なりオンリーの調整だったことを考えると、今回そこまでの信頼は禁物かも。
総合評価「B」
◆【毎日王冠2024予想/追い切り診断】3歳一角に「A」の高評価 “気迫十分”のラスト11秒台前半連発で「充実ぶり著しい」
◆【毎日王冠2024予想/追い切り診断】シックスペンスを超える「S」の最高評価 余力たっぷりで「勝ち負け濃厚」の好仕上がり
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう) 【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。