2日、大井競馬場で“ダート3冠”の最終戦、第26回ジャパンダートクラシック(JpnI、ダ2000m)が行われる。 今年から3歳ダートグレード競走の再整備によって、昨年までは7月に開催されていたジャパンダートダービーが10月に移動。名称も変更…

2日、大井競馬場で“ダート3冠”の最終戦、第26回ジャパンダートクラシック(JpnI、ダ2000m)が行われる。

今年から3歳ダートグレード競走の再整備によって、昨年までは7月に開催されていたジャパンダートダービーが10月に移動。名称も変更され、装いも新たに、世代王者を決める一戦に生まれ変わった。JRAが7頭、地方が8頭の実力馬、計15頭が集結する究極の戦い、その結末を予想する。

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■圧倒的1人気フォーエバーヤングの懸念材料

一番の注目は、世界を股に掛けて活躍するフォーエバーヤングだろう。2歳時に3連勝で全日本2歳優駿を制すると、今年は海外へ転戦し、サウジダービー、UAEダービーと2カ国のダービー馬に輝いた。

無傷の5連勝で臨んだケンタッキーダービーは、やや出負けして後方から進めるも、3~4コーナーから一気に進出。直線では2着馬と馬体をぶつけ合うような激しい叩き合いの末、勝ち馬からハナ、ハナ差の3着。初めて土がついたが、スムーズであれば悲願のビッグタイトル奪取を思わせる強いレースぶりだった。

同世代では戦ってきたメンバーが世界の強豪で、国内組が相手なら、ここは負けられない舞台。レースに合わせて先行策、後方待機策も選ばず力を発揮できるタイプで、正直逆らえないところだ。

しかし、重箱の隅をつつけば、不安要素はいくつかある。5カ月の休み明けで、海外遠征帰りの帰国初戦。初めての大井コースへの対応。中間は熱発があって、決して順調とは言えない調整過程。先に見据えるブリーダーズカップクラシックを視野に、目イチの仕上げにはできない点など、懸念材料がないわけではない。

■逆転狙うは中央勢2頭

ライバルの一番手と言えるのがラムジェットか。ユニコーンSで重賞初制覇を果たすと、前走の東京ダービーでは、2着に6馬身差をつける圧勝劇で頂点に立った。3戦目の大敗を除き、7戦中6戦で上がり最速の末脚を繰り出しており、決め手勝負なら大いに主役を張れる。

今回出走するミッキーファイトやサトノエピックとは、すでに勝負付けが済んでおり、大井の経験値という点ではフォーエバーヤングより一日の長。同馬もケンタッキーダービーは視野に入れていたが叶わず、ここでやっと同世代のライバルと雌雄を決する時が来た。

不気味な存在なのが、芝・ダート二刀流のサンライズジパング。JBC2歳優駿で、フォーエバーヤングに0秒3差の2着と、国内組でライバルに一番肉薄したのがこの馬だ。

春はクラシックに出走も、再度ダートに矛先を変え、前走の不来方賞では3馬身差の快勝。前身のジャパンダートダービー4勝をマークしている、パートナーの武豊が騎乗時は、3戦3勝と相性抜群なのも魅力的。力をつけた今、フォーエバーヤングにリベンジを果たす時だ。

■波乱含みの頂上決戦…好配当の使者は地方勢

おそらく、フォーエバーヤングは単勝1倍台の圧倒的な支持を集めるだろう。前身のジャパンダートダービー過去10年では、単勝1倍台は4回あり、その成績は【1.2.0.1】。安定はしているが、勝ったのは2019年クリソベリルだけで、20年に1.1倍に支持されたカフェファラオが7着に沈むなど、1倍台の割には取りこぼしている印象がある。

過去10年で4番人気以下が5勝しているように、波乱傾向にある3歳のダート頂上決戦。フォーエバーヤングの強さは認めつつも、不安要素は顕在しており、他が付け入る隙は十分ある。ここは相手に留めておくことにして、攻めの姿勢で馬券を買いたい。

本命には大井のサントノーレを抜擢する。3月の京浜盃を圧勝し、春の二冠、羽田盃と東京ダービーでの活躍を期待されたが、右前肢の膝を骨折し断念。ケガがなく出走が叶っていれば、また違ったレース結果になっていたと思わせる強さを秘めている。復帰戦の戸塚記念では余力十分で快勝し、今回は叩き2戦目でさらに上昇気配。

京浜盃では2着アンモシエラに1秒5差。東京ダービーではラムジェットがアンモシエラに1秒6差で勝っており、単純計算では、決して力が見劣っているわけではないはず。逃げ先行タイプが少なく、楽に前へ行けそうなのも好材料で、圧倒的な人気馬を中心に後方でけん制しあう展開になれば、前で楽をした馬が穴を開けることもしばしば。そのようなレース展開に期待したい。

馬券は3連複のフォーメーションで、相手にはフォーエバーヤング、ラムジェット、サンライズジパングを2、3頭目に。加えて、高知の雄シンメデージー、岩手の雄フジユージーンに、強豪と対戦歴のないポッドロゴあたりが3着に食い込めば、高配当にありつける。JRAのカシマエスパーダ、ミッキーファイト、サトノエピックは、それぞれ人気勢と勝負付けが済んでいるとみてバッサリ切る。

ジャパンダートクラシック2024 結論・買い目

◎(6)サントノーレ ◯(1)フォーエバーヤング ▲(4)ラムジェット △(12)サンライズジパング △(7)シンメデージー △(2)フジユージーン △(15)ポッドロゴ

3連複フォーメーション(12点) 1頭目:6 2頭目:1、4、12 3頭目:1、4、12、7、2、15

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。