Bリーグ2024−25シーズンが10月3日に開幕する。これまでもBリーグ誕生から9年。多くの選手が飛躍を遂げてきた。今回はB1…

Bリーグ2024−25シーズンが10月3日に開幕する。これまでもBリーグ誕生から9年。多くの選手が飛躍を遂げてきた。今回はB1で注目されるルーキー6人をピックアップ。新人賞争いにも絡んでくるであろう注目の選手を紹介する。

文=小沼克年

小川敦也(宇都宮ブレックス)


 今後の宇都宮ブレックスを背負う190センチの大型ガード。2022−23シーズンから特別指定選手として宇都宮でプレーし、今年1月には筑波大学のバスケ部を退部してBリーグ入りを決断した。スピードを生かした突破力はすでに証明済み。ヘッドコーチが代わった今シーズンは昨シーズン以上に速い展開を目指すため、自身の強みにもマッチしている。小川も「ポイントガードである自分の仕事だと思っている」と意気込んでおり、ゲームコントロールの向上とターンオーバーを減らすことができれば、シーズン序盤で初のスタメン起用も実現するだろう。ディフェンス面では前線から激しいプレッシャーをかける役目を担う。ロスターでは継続路線を選択したなか、背番号7が新たなスパイスを加えられるかが重要になりそうだ。

菅野ブルース(千葉ジェッツ)


 千葉ジェッツにサプライズ加入した1人と言っていいだろう。高校時代は入学当初から名門・仙台大学附属明成高校のスタメンに抜擢。そのころから195センチを超える大型ガードとしてプレーしており、縦への鋭い突破からのスコアリングが一番の魅力だった。高校3年次にはU19日本代表に選ばれ、FIBA U19ワールドカップ」にも出場。昨季所属したNCAA1部のステットソン大学ではプレータイムの確保に苦しんたが、ポテンシャルは十分にある。層の厚い千葉Jでは、2メートルの身長、長い手足、脚力を生かした守備でも相手の脅威となりそうだ。ポイントガードの経験もあるため、菅野を司令塔に据えた“超ビッグラインナップ”もシーズン中に見られるかもしれない。

内尾聡理・神田壮一郎(ファイティングイーグルス名古屋)


 内尾と神田――。福岡第一高校時代に河村勇輝、小川麻斗、クベマ・ジョセフ・スティーブの最強トリオを裏で支えた名コンビだ。昨シーズン千葉Jでプレーした内尾は、さっそく守備職人としての実力を発揮。先発を任されるほどの信頼を勝ち取り、今季は新人賞とベストディフェンダー賞の個人タイトル2冠にも期待がかかる。プレーヤーとして飛躍するためには、攻撃面でのレベルアップが必須。ドランジションからの得点に加え、ノーマークの3ポイントシュートを確実にものにできるかが問われる。

 一方の神田は、ライジングゼファー福岡の練習生からチャンスをつかんだ。高校、大学時代の主戦場はパワーフォワード。3ポイントやリバウンド、機動力などで貢献するオールラウンダータイプだが、自分と同じ190センチ台の選手がひしめくウイングポジションでどんなアピールをするかが最初のハードルだ。ルーキーらしくアグレッシブなプレーで勢いを与え、チームに不可欠な存在になれるか。

三谷桂司朗(広島ドラゴンフライズ)


 日本人エースとしての活躍が期待される有望株。高校3年次に広島でBリーグの舞台に立つと、デビュー戦でいきなり初得点をマークした地元出身プレーヤーだ。昨シーズンは途中加入ながら21試合で先発を担い、リーグ優勝にも貢献した。すでに3x3日本代表や5人制の代表候補にも選出された経歴を持つオールラウンダーで、ドライブ、ジャンパー、3ポイントシュートなど得点パターンも豊富。「開幕からギア全開」(三谷)で挑む今シーズンは、主軸として一層存在感を放ってチームをけん引する働きが求められる。より積極果敢なプレーで勝利へ導くことが、新人賞かつ日本代表入りへのアピールにも繋がるはずだ。

脇真大(琉球ゴールデンキングス)


 U22日本代表にも選出された世代屈指のスラッシャー。白鷗大学時代には2度の日本一に輝き、昨年のインカレでは得点王とMVPを受賞した。脇真大の193センチのサイズでフィジカルも強く、ハンドラー役を担うこともできる。その中でも一番の武器は力強いリングアタック。多少強引でもリングに突進し、ファウルを受けながらもシュートをねじ込むプレーが彼の代名詞だ。琉球ゴールデンキングスという強豪クラブへ入団し、これからも順風なキャリアを歩むようにも見える。しかし、学生時代には代表メンバー落選を経験し、琉球に途中加入した昨シーズンはケガでリハビリ生活を余儀なくされた。不屈の精神、コート上であらわにする闘志も彼の魅力であり、琉球のエースになる日もそう遠くないだろう。