メキシコで異彩を放ったバウアー。パフォーマンスを見る限り衰えはほとんど見られないが……。(C)Getty Images 現地時間9月27日、昨季にDeNAでプレーしたトレバー・バウアーが、メキシカンリーグの年間最優秀投手賞に選ばれた…

メキシコで異彩を放ったバウアー。パフォーマンスを見る限り衰えはほとんど見られないが……。(C)Getty Images

 現地時間9月27日、昨季にDeNAでプレーしたトレバー・バウアーが、メキシカンリーグの年間最優秀投手賞に選ばれた。

 わずか1年で日本を離れたバウアーは今年3月からメキシコシティー・レッドデビルズでプレー。14先発で10勝0敗、防御率2.48。83回1/3を投げ、リーグ最多の120三振、奪三振率13.00、WHIP1.04を記録した。メジャーリーグへの復帰を目指し、当初は5試合限定での契約だったが、満足のいく新たなオファーが舞い込まずに契約延長。“太陽の国”でのシーズンを全うした。

【動画】メキシコの強打者たちをねじ伏せる快投 バウアーの19奪三振

 類まれなる投球スキルは打高投低のメキシコでも異彩を放った。4月21日のレオン・ブラボーズ戦でリーグ記録に並ぶ9者連続三振を奪ったバウアーは、6月21日のオアハカ・ウォーリアーズ戦ではリーグ新記録となる1試合19奪三振と快投。レッズ時代の2020年に、コロナ禍による短縮シーズンながらナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた実力を発揮した。

 メキシカンリーグの年間最優秀投手は投票で決まるのだが、バウアーには94票も集中。2位のザック・グロッツは9票で、以下はデービッド・レイエスが7票、元西武のマット・ダーモディは6票、ロバート・ストックは2票、タイラー・ビザが1票だった。

 現在33歳のバウアーはDeNAで19試合に登板。10勝4敗、防御率2.76の好成績を残した。同球団側はオフに残留を望んだが、メジャー復帰への思いを強くする本人はオファーを固辞。その後もDeNAはラブコールを送り続けたが、バウアーを振り向かせることはできなかった。

 メキシカンリーグでのプレーは、MLB球団のスカウト陣へ力を示す、いわば“品評会”的な目的だったが、結局、今に至るまでオファーはバウアーの下には届かないままだ。

 ドジャース時代の2021年に起きた女性とのトラブルにより、MLBのDV規定に違反したとして出場停止処分を科されたバウアー。2023年1月にドジャースを退団した後に、当該女性とは和解が成立。すでに『無実』は証明されているが、当時の事件がここまで尾を引いている格好だ。

 無所属だった今年2月には自身のXで「複数年、何億ドル、あるいは多くのエリート選手やサイ・ヤング賞投手にコミットしたくないチームは、僕とリーグ最低額で契約すれば、それに支払う金額の増分がゼロになる。勝ちたいが破産したくないチームにとって、もう1つの選択肢だ」と訴え。異例のアピールを続けているが、やはり“問題児”のレッテルが契約の障壁になっている感は否めない。

 日本での活躍に続いて、メキシコでも“ナンバーワンピッチャー”に輝いたバウアーの思いは、MLB球団の上層部に聞き届けられるのだろうか。来年1月に34歳となる右腕の動静は、今オフも注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「日本人は僕らより優れてるよ」元巨人助っ人が米番組で訴えた“日本野球の凄さ”「アメリカはミスを侮辱されるだけ」

【関連記事】「こんな話が来るなんて」青天の霹靂だった巨人のオファー チェコ人新助っ人フルプが母国紙で交渉の内幕を告白「突然、スカウトから電話が来た」

【関連記事】「キュンときてしまった」大谷夫妻の“リアル会話”にファン感激 真美子夫人への気遣いに反響止まず「こっちまで幸せに」