メジャーで一世を風靡した大打者だったボンズ(左)。そんなレジェンドと大谷(右)の比較が話題となっている。(C)Getty…

メジャーで一世を風靡した大打者だったボンズ(左)。そんなレジェンドと大谷(右)の比較が話題となっている。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)の凄まじい活躍に日本は沸き返っている。

 話題沸騰となるのは、もはや必然だ。なにせ「史上初」の選手なのだ。昨年9月に右肘側副靭帯の損傷による手術を執行した影響で「打者専任」となった今季だったが、大谷は故障の影響を感じさせない異次元の数字を記録した。

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 現地時間9月27日の試合終了までに、三冠王にもわずか5厘差の打率.309、54本塁打、130打点、57盗塁、OPS1.041のハイアベレージを記録。史上初の「シーズン54本塁打・57盗塁」もやってのけ、文字通り球史に名を刻んだ。

 今季のMVPも確実視され、異能さを示す大谷だが、「史上最高」を巡る議論となると異論がないわけではない。米野球専門ポッドキャスト番組『Foul Territory』のホストで、MLB通算2043安打を放った名捕手AJ・ピアジンスキー氏は「彼にも穴はある。たしかに素晴らしいシーズンを送っているが、多くの課題は残されている」と指摘。「(捕手として対戦した場合に)俺には通用しないだろうね」と持論を展開した。

 大谷の成績を考えれば、大胆な発言ではある。しかし、ピアジンスキー氏は、「みんなに知ってもらいたい。今年のショウヘイ・オオタニはバリー・ボンズのキャリアと比較すると11番目に良いシーズンなんだ」と強調。これに番組出演者から「ヤバい意見だ」と反発されると、こう訴えている。

「言いたいことは分かるよ。『ボンズはステロイドをやっていた』ってことだろ。でも、俺は彼が何を摂取したかは気にしないよ。あの時代の彼はシンプルに他の誰よりも優れていたし、歴代でも誰よりも上だった。単純に打撃だけならオオタニとも比較にならないよ」

 周囲をあ然とさせたピアジンスキー氏は、さらに熱弁を振るう。

「今年のショウヘイ・オオタニは確かに凄い。素晴らしいよ。でも、数字は数字だ。ステロイドを使っていないとされるボンズのジャイアンツでの1年目になった1993年のOPSは1.136。ショウヘイよりも上だ。投げる、投げないという話をするのは不公平だが、ボンズは打者としては同じ領域にはいない」

 ピアジンスキー氏の意見はいささか暴論のようにも思えるが、こうした“異論”がメディアで真剣に語られる。その事実も娯楽の尽きない大谷の凄みと言えるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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