弾ける笑顔が印象的だった。破顔したのは元フランス代表バフェティンビ・ゴミスで、川崎フロンターレに所属する若手FW2人に…

 弾ける笑顔が印象的だった。破顔したのは元フランス代表バフェティンビ・ゴミスで、川崎フロンターレに所属する若手FW2人について質問したときのことだ。

 山田新と神田奏真。大学出身でプロ2年目と、高卒でプロ1年目という、それぞれのストライカーについてどう感じているのか。2人について期待を隠さないという話を聞いていたことで、ゴミスに質問してみたのだ。

 すると、冒頭の如く笑顔を作って4人のチームメイトの名前を挙げた。
「私と同じポジションということで、奏真や新の名前を挙げていただいたと思いますが、もう知っての通り、川崎には他にも素晴らしい良い選手がたくさんいます」

 こう前置きをして、「ケント」「コウタ」「ヤス」「アキ」と、4人の名前を並べた。もちろんこれは、橘田健人、高井幸大、脇坂泰斗家長昭博のこと。

 さらに、「アキは年齢を重ねても素晴らしい成長を続けているのは皆さんもご存知の通りだと思います」と称賛すれば、「コウタは川崎のアカデミーで育ち、日本代表にもつながる成長を遂げました。非常に素晴らしいことだと思います」とも話す。

 若手FW2人について称賛していたと聞いていたが、“それだけではない”と言わんばかりに、元チームメイトを笑顔で誇ってみせた。

■「プレーでチームを引っ張っていますけれども」

 バフェティンビ・ゴミスは1985年の8月に、フランスのラ・セーヌ=シュル=メールで生まれた。海に面して潮風が香る街だけに、ゴミスはその実力と冒険心を外へと向けた。ASサンテティエンヌやオリンピックリヨンといったフランス国内のチームで活躍すると、イングランドやトルコ、そして、サウジアラビアへと活躍の場を広げたのだ。

 そして、その勢いのままに川崎フロンターレに所属したのが昨年8月のこと。東京湾に面する川崎市に降り立った。

 サッカーフランス代表としても得点を記録しただけでなく、ACLで得点王を獲得するなど、ストライカーとしての経歴はまさにワールドクラス。そんな選手が、川崎のストライカーについてどう感じているのか。

 まず答えたのは、山田新について。「今、プレーでチームを引っ張っていますけれども、技術的なところだけでなく、彼が持ってる強いパーソナリティやリーダーシップの部分をどんどん前面に出して行くべきかなと思っています」と話し、メンタル面での強さを説く。

「川崎の選手たちは非常に技術レベルが高く、素晴らしい選手たちが多いのですが、勝利に対する執着心であったり自分のキャラクターを前面に強く出すというところが、少しおとなしい部分もあるので、彼のそういった強い姿勢が他の選手にも伝わることで、さらにクラブが大きく成長できる。彼にはそういった部分をこれからも意識して、成長していってほしい」

 山田がピッチ上で見せるパッションが、ゴミスの心をも掴んだ。そしてその熱さは、チーム全体をより高み引き上げるという。

■「新はそういった強い姿勢を持っている選手」

 ゴミスは欧州チャンピオンズリーグという、世界最高峰の舞台で20試合以上に出場している。そして、その得点数は2ケタに乗せている。

 だからこそ、「チャンピオンズリーグなどでは、自分の強いパーソナリティやキャラクターといった強い姿勢を前面に出さないとやられてしまうという場面もたくさんあります」と話す。

「日本では謙虚な姿勢が求められますし、それは日本人の素晴らしいところでもあります。ただ、サッカーの世界では、必ずしもそうとは限らない場面もたくさんあります」

 こうも話すゴミスは、「日本人選手はテクニックや戦術で非常に高いレベルにありますが、強い気持ちを前面に出していくことができればさらに高い成長ができると思います。新はそういった強い姿勢を持っている選手だと思いますので、それを前面に出して、他の選手に良い影響を及ぼし続けてほしい」と重ね、山田への期待を言葉にした。

(取材・文/中地拓也)

(後編へ続く)

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