Jリーグが公式SNSで、J1東京ヴェルディの選手と監督の試合中の熱いやり取りを音声で公開した。激しい言葉の投げ合いながら、信頼の強さが感じられる応酬が、ファンの感動を呼んでいる。 名門が帰ってきた。日本サッカーリーグ(JSL)時代からけん…

 Jリーグが公式SNSで、J1東京ヴェルディの選手と監督の試合中の熱いやり取りを音声で公開した。激しい言葉の投げ合いながら、信頼の強さが感じられる応酬が、ファンの感動を呼んでいる。

 名門が帰ってきた。日本サッカーリーグ(JSL)時代からけん引し、Jリーグ草創期を華やかに彩った東京Vが16年ぶりに国内最高峰の舞台に立っているのだ。

 1993年に始まったJリーグで、東京V(当時はヴェルディ川崎)はスター選手ぞろいのファン憧れのチームだった。だが、2005年にはJ2降格が決定し、2年でJ1に戻ったものの1年で降格した後は、なかなか浮上することができなかった。

 その名門をJ1へと引き上げたのが、城福浩監督だった。2022年シーズン途中に東京Vを預かると、選手たちを鍛え上げ、翌2023年に昇格プレーオフを戦った末、J1昇格を成し遂げた。

 また、礎となった伝統も忘れてはいけない。アカデミーの充実だ。

 JSL時代から下部組織を充実させ、多くの名手を輩出してきた。ただし近年では、なかなかJ1に昇格できないうちに、他クラブに若き才能が引き抜かれる事態が続いていた。

 自らの選手育成と、熱き指揮官の融合こそが、昇格の鍵だった。その理由の一端が、先日の試合で垣間見えていた。その様子を、JリーグがSNSで公開した。

 9月22日に行われたJ1第31節サガン鳥栖戦でのことだ。1点リードで迎えた終盤、鳥栖の選手にボックス手前からシュートを放たれる場面があった。キャプテンの森田晃樹が寄せ、シュートは枠を外れたが、城福監督は引き締めることを忘れなかった。

 森田の名前を何度も呼ぶが、なかなか応答はない。ようやく返事を寄越した森田だが、一瞬も気をそらしたくない緊迫の状況で、ぶっきらぼうにも聞こえるものだった。城福監督も、ようやく声が届いたキャプテンに、厳しい要求を投げかける。この場面は音声だけだったが、2人のバチバチの言い争いの様子が目に浮かぶかのようだった。

■「よくこの音声拾ってたなぁ笑」

 この一連の物語が公開されると、すぐに多くの人が反応した。

「信頼関係ですね」
「胸が熱くなる」
「泣ける」
「こういう漢っぽいやり取り非常に好き」
「良い師弟関係だなぁ」
「最高 漫画みたい」
「よくこの音声拾ってたなぁ笑」

 物語は、ここで終わらない。試合はその後、東京Vが1点を加えて2-0で勝利。さらに、今回の投稿では試合後の城福監督のインタビューの様子までが収められており、監督ながら父親のような教師のように森田とのやり取りについて語る様子で、締めくくられていた。

 東京Vは現在、6位と好位置につけている。今週末には勝点2差で追う5位ガンバ大阪との対戦が待っており、この熱い一戦で選手と監督が一体となって戦う姿を見せてくれることだろう。

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