佐野はかつて首位打者、最多安打のタイトルも獲得している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext  DeNAがし烈な上位争いをくり広げている。 25日の巨人戦(横浜)に1-0と勝利。好投手、戸郷翔征に対し、…

 

佐野はかつて首位打者、最多安打のタイトルも獲得している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 

 DeNAがし烈な上位争いをくり広げている。

 25日の巨人戦(横浜)に1-0と勝利。好投手、戸郷翔征に対し、粘り強く攻めた。

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 両軍無得点で迎えた3回は足もからめて一死三塁のチャンスを作ると打席に入ったのは佐野恵太。戸郷の147キロ直球を的確に二塁前に転がし、貴重な1点をもぎ取った。

 投げては先発のジャクソンが6回2安打無失点と好投。その後は救援陣もしっかり仕事を果たし、最後は抑えの森原康平がモンテスを空振り三振に打ち取ってゲームセット。

 チームにとってはこれが今季初の「1-0」勝利。僅差の勝利は投手陣、攻撃陣、守備すべてがかみ合わないとものにできない。会心の勝利で4位広島と1・5差をつけ、CS出場にまい進している。

 またDeNAでは今オフの動きも注目されている。この日、1点をもぎ取る打撃を見せた佐野がFAイヤーとなっている。佐野は2016年ドラフト9位入団。アレックス・ラミレス元監督に才能を見出だされ、4番に抜擢されたサクセスストーリーも有名。2020年には首位打者、2022年には最多安打のタイトルも獲得と球界屈指のスラッガーとして知られる。
  
 今季は131試合に出場、打率「.273」、リーグトップの34二塁打、8本塁打、60打点をマークしている。

 佐野の去就に関しては球界内からも考察の声が上がっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は9月22日に自身のYouTubeチャンネルに「【FA考察】GMなら絶対獲得に動く選手は!?現時点で考えるFA選手について語ります!!」と題した動画を更新。各球団のFA選手の去就に関して独自の見解を語っている。

 佐野の今季に関して高木氏は「筒香が入ってきて、佐野が危機感を持って打ち始めた」と表現。かつての4番、筒香嘉智が米球界から戻ったことも刺激を与えたとした。

 一方で佐野の去就に関してはし烈な外野手争いもリンクしてくると見る。DeNAの外野陣は梶原昂希、桑原将志、蝦名達夫、関根大気、また今季入団した度会隆輝と豊富な人材を誇る。 

 こういった選手に比べて高木氏は佐野の実力は上としながらも「球団は色々な方針があって、(若手を)育てなきゃいけない 環境を与えなきゃいけない」側面もあるとした。

 また仮に佐野がFA権を行使するとしてマッチしそうな球団名には、広島・広陵高校出身という縁もあり「ものすごい重宝されるよ、広島だったら」「そのまま4番を打ってくれてもいいぐらい」と広島の名を挙げる場面もあった。

 DeNAとし烈な3位争いを繰り広げる広島は9月に入って月間17敗と急失速となっている。最大14あった貯金はついに0に。今季は期待した助っ人外国人選手が早々に離脱という不運もあったが、小園海斗、末包昇大、坂倉将吾といった主軸に攻撃面でさらに上積みをもたらせる戦力が求められている。

 「自前で育てる」がチームカラーとされ、マネーゲームになりがちなFA戦線に乗り出すことは少ないが、近年ではメジャー帰りの秋山翔吾を獲得とここぞと思う選手には熱意を持ってアタックすることも知られている。

 一方、佐野にとってもDeNAは愛着ある球団。高木氏は残留の鍵を握るのは球団側がどんな条件を出すかにもよるという。

 球団ではかつて救援投手の山崎康晃と22年オフに異例の6年契約、昨年首位打者に輝いた宮崎敏郎とも同様に6年の長期契約を結んでいる。

 功労者には手厚くのチーム方針がある中、果たして佐野に提示する条件がどのような形になるかが注目されるという。

 動画内では他球団の注目FA選手の去就についても語っている。

 果たして球界を代表するスラッガーの決断やいかに?今後も注目の存在となりそうだ。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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