リカルドの引き際を用意してしかるべきだろう(C)Getty Images F1のRBに所属するダニエル・リカルド(オーストラリア)が前戦シンガポールGPのレースがF1ラストランとなりそうだ。次戦アメリカGP(10月20日決勝)からは…

リカルドの引き際を用意してしかるべきだろう(C)Getty Images

 F1のRBに所属するダニエル・リカルド(オーストラリア)が前戦シンガポールGPのレースがF1ラストランとなりそうだ。次戦アメリカGP(10月20日決勝)からは、昨季も怪我をしたリカルドの代役でF1デビューしたリアム・ローソン(ニュージーランド)が起用されるとみられており、リカルドも「(アメリカGP開催先の)オースティンでは僕の姿を見られないかもしれない。どうなるのだろう。もうすぐ公式発表がされることは分かっているよ」と歯がゆさをにじませた。

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 F1は14シーズンで通算8勝。2011年に弱小チームのHRTからシーズン途中にF1デビューし、12年にトロロッソ(現RB)でフル参戦。14~18年に在籍したレッドブルで7勝を挙げ、マクラーレン時代の21年に1勝を記録した。

 通常であれば、8勝を記録する選手に対してはラストレースで花道を用意することがならわし。ローソンの起用が内々定しているのであれば、シンガポールGP直前に発表することもできたが、レッドブル陣営はそれをせず、リカルドも奥歯に物が挟まったような言い方しかできなかった。

 レースも18位。終盤にファステストラップを記録させてマクラーレンのランド・ノリス(英国)からボーナスポイントを剝ぎ取り、コンストラクターズ2位に沈んだレッドブル陣営を援護射撃した。RBのローラン・メキーズ代表は「最後のレースになる可能性を鑑み、ファステストラップを記録させていい形で終えさせるチャンスを与えたかった」と語ったが、公式にラストランと発表しなかったことには疑問が残る。

 レッドブルを離れた後はルノー、マクラーレンと渡り歩き、再びレッドブルファミリーとしてオファーを受け、F1キャリアを伸ばすことができたという恩義はある。さらに言えば、不振が続くレッドブルのセルジオ・ペレスに代わってシーズン終盤に再起用される可能性もなくはない。チームに対して忖度し、でしゃばるようなマネは控えたのだろうか。

 リカルドは「オースティンは第二の故郷」とも語っていた。アメリカGPは得意のレースで過去に2度表彰台に立っているからだ。それならば、10月18日のグランプリ初日のフリー走行1回目に出走させ、後任のローソンにバトンタッチする”引退走”の機会をつくってはいかがだろうか。表彰式でも脱ぎたてのシューズの中に美酒を注いで飲む「シューイ」と呼ばれる儀式を披露し、F1を沸かせた。しっかりとした引き際をつくってリスペクトしてもいいと考える。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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